GW後半の後半

 大義のない今年のGWの、どうしてもしなければならないこととして、前にも書いた、流しの上と下の収納の整理のほかに、実はもうひとつ、裏テーマとも言えるものがあった。
 連続ドラマ「昼顔」のDVD鑑賞である。
 なぜ急に「昼顔」か。それはいまフジテレビで「あなたがしてくれなくても」という、「昼顔」と同じチームで作るドラマが放送されており、それに関連して「昼顔」の再放送が(関東地方では)なされ、そこから微妙に「昼顔」が、その界隈ではひそかに盛り上がりを見せたそうで、それに触発されたファルマンが、FODで冒頭の数話を観たあと、これはきちんと観なければならないとなって、先々週、レンタルビデオ店に走らされたのだった。なぜ主婦の不倫ドラマを妻が観るために、夫がレンタルビデオ店に連れて行かなければならないのかと思った。それで、ファルマンは残りの8話ほどを、それはもう3日くらいで観終えたのだけど、僕にも「おもしろいからぜひ観るべきだ」と薦めてきて、だからなんで主婦の不倫ドラマを、妻が夫に薦めるのか、という話なのだが、とりあえず最初の1話を観たところ、なるほどたしかにおもしろく、旧作で2週間レンタルにつきGWいっぱい借りていられるということだったので、GWで観ることにしたのだった。
 しかし内容が内容なので、子どもの前で観ることは憚られ、それだのにポルガは、連休をいいことに零時近くまで起きていたりするので、なかなか鑑賞がままならなかった。仕方なくリビングのテレビは諦め、ファルマンのパソコンで再生し、部屋でひっそり観た。部屋では筋トレや裁縫をしながら観られるので、逆に良かったような気もする。
 GW後半3日目、5月5日までに、7話までを観終えた。そしてこの日は、これもGWの特別行事の一環として、ポルガが実家にお泊りをするというので、夕方から我が家にはおらず、ピイガを21時半に寝かせたあとは、堂々とリビングで観ることができ、つい最近に怒涛の勢いで観たはずのファルマンもなぜか一緒に、残りの3話を一気に観たのだった。2014年なので、気付くのがあまりに遅いが、なるほどおもしろい作品だった。GWを利用してまとめて観ることができてよかった。
 4日目は、お泊りしたポルガと、泊りはしなかったピイガを連れて、義父母がランチや博物館などに行ってくれるというので、とても珍しく、ファルマンと夫婦ふたりで行動した。午前中は、ここまで先延ばししたが、いよいよ一念発起し、流し周りの収納の整理を行なった。あまりにも多い弁当箱、あまりにも多い水筒、あまりにも多いタッパーなどを処分することにし、今後なるべく使いやすくなるよう整備した。まあこんなものだろう、という程度には片付く。そして、それらだったり、他にもいろいろある、微妙に普段のゴミ回収では捨てづらいものを、持ち込みの処分場に持っていく、これは滅多にないチャンスなのではないかという話が急遽持ち上がる。というのも、処理場は平日と、土曜日の午前中にしか開いていないので、行けるとしたら土曜日しかなく、しかも子どもがいないだから、やはりここで行っておくべきだという結論になり、11時になんなんとするような時刻に、慌てて廃棄物を車に乗せ、処理場に向かった。処理場は、誰もが考えることは同じようで、ひどく混んでいた。今年のGWで、いちばん渋滞および行列に巻き込まれたのは、この処分場だった。子どもがいなくて本当によかったね、とふたりで頷き合った。
 ゴミを捨てたあとは、観終えた「昼顔」を返却し、昼ごはんを牛丼屋で済ませ、買い物をして帰った。子どもがいないと本当に身軽に事が済むのだった。
 おやつのあとに子どもたちは帰ってきて、そのあと僕は、今晩のメニューとして、ピザ作りに取り掛かる。ピザも実はGW中にしようと思っていたことのひとつで、トマトソースは1週間ほど前に既に作り、冷凍してあったのだった。パン焼き機で捏ねた生地を分けたら、7枚分になったので、2枚焼いたところで、子守りの礼として実家に持っていった。残りは自分たちで食べた。フライドチキンも揚げて、今年のGW、最後の自由な夜を堪能した。
 明けて今日は、いよいよ最終日である。最終日は、夜はもう明朝に向けて堅実な時間に寝なければならないので、実質的にもう休みが終わっているような印象がある。寂しいけどその分、連休の前日の火曜日から休みが始まっているような高揚感を抱いていたのだから、トントンと捉えるべきだろう。なるべく外出もしたくないので、家でのんびりと過す。子どもたちは宿題を片付け、ゲームをしていた。3時のおやつのあと、僕とファルマンも少しだけ桃鉄をやる。桃鉄は、GWでドバっと進むかと思っていたが、そんなこともなかった。どうしても2年もやると目も頭も疲れてくるので、時間があってもそれ以上続ける気にはならないのだった。ゲームなんて昔はいくらでもできたのになあ。
 夕方、缶やペットボトルを捨てに行ってくると告げて、ひとりプールに行く。もちろんファルマンには事前にその旨は伝えておいた。休日にひとりでプールに行こうとするとピイガがうるさいので、こうしてさりげなく行くほかない。ピイガは微妙に風邪気味なのだった。GWでプールに行ったのは、意外にもこの1回のみだった。おろち湯ったり館も行かず終いだったな。まあ混んでいただろうしな。
 そのあと、晩ごはんを食べ、今に至る。明日からは平日。曜日の感覚がすっかり薄れ、今晩「まつもtoなかい」があるということにびっくりする(特に観るつもりはないが)。先週の香取慎吾のそれが、まだ1週間前でしかないのか。なんかもっとずっと前の出来事のような気がする。ということは、GWをたっぷりと優雅に堪能したということかもしれない。ならばよかった。したいと思っていたことはとりあえずできたし、悪くないGWだったと思う。

GW後半の前半

 3日からのGW後半の部もそろそろ終わりを迎えようとしている。物寂しい気持ちでいっぱいだ。過ぎ去った日々を惜しみたい。過去を振り返りたい。前だけを向いて生きていきたくない。というわけで、この日々の行動を、日記として記録していこうと思う。
 3日は、5連休の初日でありながら、実はメインイベントのレジャー日だった。初日がお愉しみとしてはピークなので、あとはもう右肩下がりというか、尻すぼみである。しかし4月の中旬、「hophophop」にも書いたが、まったく読めない半月後の気象を、気にしても仕方ないと予約を申し込んだこの日程だったのだけど、結果として連休の後半は強風だったり雨だったりと大気が不安定になったので、まだ平穏な気候だった初日に行くことにして、賭けに勝った感があった。
 行ったのは雲南市にある、フォレストアドベンチャー・たたらの里である。これは最近できたという、自然の森を利用して作られたアスレチック施設で、事前に予約を入れる必要のある、(なかなかの金額の)有料の、命綱を付けて行なう、かなり本格的な所なのだった。
 画像としては、このような感じになる。
 

 山の麓に位置する森に、樹木や、その傾斜を利用して、アスレチックが作られている。基本的に、木から木へ、伝われた縄を頼りに、中空のステップなどを渡って進んでゆく。ご覧のとおり、木の高さはかなりのもので、それが山の少し登った高みにあるのだから、奥に見える駐車場などとは、別世界と言ってもいい標高である。そんなことは知るまでもなく、プレイヤーは子どもたちだけで申し込んだのだが、気の迷いで自分もやることにしたりしないで本当によかった。高所恐怖症の人間には到底耐えられない高さである。
 

 目玉はジップラインで、子どもたちが今回行なった初級者向けのコースでも、70mくらいの距離がある。ハイレベルのほうだと140mだそうで、駐車場に車を停めて、なるほどあそこがアスレチックになっているのだな、などと山を眺めていたら、視界の端から端の空中を、人がスーーーッと通り過ぎていったので驚愕した。僕がやったら気絶すると思う。
 それにしても画像が、消しゴムマジックで消してやったかのように、うちの子どもたちしか映っていない。加工はしていない。これは本当に、GWの、事前予約が必要な施設なのか。まあ実際はそれなりに人はいた。いたと言っても、3月の横浜で行ったアスレチック施設のような人出ではもちろんない。
 ちなみにやり終えた結果、子どもたちは大いに愉しんだようで、レジャーとしては大成功だった。
 翌日4日は、道の駅のキララ多伎でGWイベントをしているというので、昼過ぎに少しだけ出向いた。こちらは正真正銘、かなり混雑していた。第二駐車場までがほぼ満杯で、さすがはコロナが終息したGWだな、と感慨深かった。なんとか車を停め、施設のほうに向かうと、ちょうど高校の吹奏楽部のステージが行なわれている最中だった。高校の吹奏楽部はとても上手で、なにより若さが弾けていて、胸を鷲摑みにされるような感動があった。この感動には、たぶん親としての気持ちも混じっている。高校生を眺めるとき、もう完全に親の目線になった。親の目線で、部活をがんばった我が子たちの姿が眩しかった。
 

 そのあとは海のほうに降り、波打ち際で少しだけ遊ぶ。この画像もまた、混雑だなんて嘘っぱちじゃないかとしか思えないが、まだ海水浴の季節ではないので、まあこんなものだろう。もちろん砂浜で遊んでいる人はそれなりにいた。それなりにいたと言っても、島根県における「それなり」ではあるけれど。
 初日と2日目はだいたいこんな感じ。最初に右肩下がりと書いたが、本当にそうで、フォレストアドベンチャー、キララ多伎と来て、あとはもう本当に大してどこにも行っていない。でも生活をしていなかったわけではないので、それらの日々についても書く。しかしここでいちど記事を分けることにする。