子どもが来年には高校生と中学生になるという事実に、たまにおののく。
ポルガはこのたび、中学の部活を無事に引退した。ここまで明記せずにいたが、吹奏楽部であった。積極的に学校の話を親に向かってするタイプではないので、そこまで深く知らないが、気の合う友達もいて、それなりに愉しくやったようである。ポルガが1年生時の、3年生が引退する定期公演を観たとき、いまの3年生は立派だが、ポルガの代が上級生になったときあのような風格を身につけることは決してないだろうから、この部活はどんどん衰退していくに違いない、と思ったものだが、それから2年経って、ポルガの代が引退する定期公演では、当時の3年生ときちんと同じ風格を纏っていたので、子どもの成長というのはすごいものだなと思った(ただしそれと同時に、ひとつの場所に長くいて、立場が上がっていくと、存在感というのはオートメーションで付与されるものなのだな、とも思った)。
部活を引退したので、いよいよ本格的に受験生としてのフェーズに入ったわけだが、前にも書いた通り、成績的に志望している高校はまず大丈夫だという。だというが、受験のことなので、なにがあるか分からない。親としては、推薦で早めに安全に決まってしまえばいいと願わずにおれないが、ポルガの入ろうとしている高校というのは、この地域の勉強のできる子が入るタイプの学校なので、公立校のくせに、公立校だからだろうか、どうも話を聞くにつけスタンスが居丈高で、推薦で合格するような子というのは、もれなく生徒会長などをやっていた子だったりするのだそうで、そういう話を聞くと、自分が中学生だった頃の、内申点とかの体制に縛られるもんかと猛反発し、結果的に地元で行ける高校がなくなってしまった、あの頃の気持ちが甦ってきて、とてつもなく嫌な気持ちになるのだった。自分の人生にとって、中学をいい子で過し、地元のそこそこの共学校に行かなかったことが、結果的に良かったのか悪かったのかは、他方を経験していないから判りようがないけれど、ただひとつ言えることは、僕はあまり子どもの高校受験に関して口を出さないほうがいいということで、日々の塾の送り迎えも、粛々と寡黙にやっている。まあどういう結果であれ、自己肯定感だけは強く育っているので、それさえ頑丈にできていればなんとかなるだろうと確信している。
次にピイガは、小学6年生にしてはやはり身体が小さく、1学年下の従妹にも身長で抜かされ、同級生と一緒にいても下級生の妹のようにしか見えないことから、先日とうとう成長ホルモンなどが正常に分泌されているのかどうか、2泊3日の入院をして、正式な検査を受けたのだった。ちなみになぜ入院する必要があるのかと言えば、寝起きの状態を調べなければならないかららしい。近所にある病院だったのだが、ファルマンも付き添いで寝泊まりし、その間は当然ながら僕とポルガがふたりで暮した。家が静かで、リビングが散らからなくて、ピイガの日々放っているパワーを痛感した2日間だった(だからカロリー収支がプラスにならないのだ)。
それで診断結果はどうだったかと言うと、成長ホルモンは正常に分泌されていて、ただしその流れが平均よりも2年ほど遅れているようなペースなので、いまは周りの子が成長期なので本当に差が激しいけど、そのうちそれなりに追いつくんじゃないか、みたいなことだったそうで、要するにそれは『診断名:かわいい』ということだなと、父親としてそう解釈した。下の娘はいつまでも小さくて無邪気でかわいらしいと思っていたが、このたびとうとうそれが医学的見地から実証されたのだ。伝説のようなエピソードではないか。
そんなピイガが、来春から中学生である。もうぼちぼち、制服の採寸である。信じられない。このままだと、嘘みたいな女子中学生が爆誕する。なにか強い思念体が、このような現象を生み出したのではないかと、思いの力のようなものを感じている。
ついでに、そんなふたりのティーンエージャー少女の親である僕の近況報告をするならば、最近ハーフバック気味の水着を穿きだしたことから、水着からはみ出る尻のことが気に掛かるようになり、ボディスクラブや風呂上がりのマッサージ、そして尻を持ち上げるための筋トレなど、尻の美容にこだわりはじめた。若かった頃の自分の尻がどうだったのかは知らないが、たぶん大人になって以降では、いまがいちばんきれいな尻をしていると思う。以上です。