土曜日の夕方、家族でプールに繰り出す。微妙に霧雨が降っているような空模様だったこともあり、とても空いていた。タイミングによってはほぼ貸し切りのような状態にもなり、我々一家は、とんでもない大富豪か、あるいは田舎在住者だろうと思った。これにて家族で行く今年の屋外プールはいよいよ終了だ。今回も屋外は実際まあまあ寒さ的に厳しくて、屋内のほうを中心に使った。
夏が終わる。今年はそれなりに暑い期間もありつつ、なにしろ去年の記憶がまだあるものだから、それでもだいぶ節度のある暑さだったな、という風に思う。次の学年がどんなにイキっても、去年卒業した学年がひどすぎたから教師たちもわりと余裕がある、みたいな感じ。屋外プールは8月いっぱいまでであり、実は来週の平日のどこかで労働終わりに僕だけラスト1回を目論んでいたりもするのだが(しかし天気が悪そう)、とは言え夏が終わるのは純粋に嬉しい。夏と冬の終わりにいつも思うことだが、着るものに飽きた。今回は夏なので、Tシャツとクロップドパンツという組み合わせに、ほとほと飽きた。6月中旬あたりから、僕は平日も休日もずっとそのスタイル、手持ちのそれとそれの中でそれぞれ組み合わせを選ぶ、というだけの着衣を続けてきたわけだが、今日なんとなく気が向いてチノパンを穿いたら、すごく清新な気持ちになり、とてもよかった。本格的にクロップドパンツから解放されるまで、あと半月くらいかな。
話が前後するが、金曜日の夜はすき焼きだった。お買い得の牛肉が手に入ったので、じゃあいっそすき焼きだ、と決めて、決めたらとてもテンションが上がり、金曜日の労働中はそのことを思ってウキウキしていた。やっぱりすき焼きはとびっきりの御馳走だな。そして期待を高めに高めて食べたすき焼きは、さすがの横綱、見事に期待に応え、非常においしかった。砂糖醤油で煮た肉を卵に浸して食べるって、もう体感としては7Pくらいだ。もちろん男は僕だけで、あと6人の女の子がすごく奉仕してくれる7P。そのくらいの愉悦だ。体験したことはないけれども。ちなみに鍋つながりの話題として、スーパーでは煮込みラーメンが売られはじめた。ああ今年も、1年のそっちのほうに入ったか、と思った。ホームページを見たところ、今年の限定味はシビレをきかせた麻辣味だそうで、わが家とは縁がなさそうだ。やるなら仲間内でだな。誘ってみっか。
そんでもって話が行ったり来たりするのだが、土曜日の午前にファルマンは「おっさんずラブ」の映画を観にいった。早起きして、ショッピングモール内のシネコンへ、バスを乗り継いで行っていた。公開翌日朝いちばんの回を観ることで、ウェブ上に溢れる映画の感想を問題なく目にすることができるのだそうで、まあ本人のしたいようにすればいいと、心の底から(どうでもよく)思う。映画が終わる時間をめがけて、子どもたちと車で迎えにいった。ファルマンは映画館で映画を観たのは、「千と千尋の神隠し」以来だと言っていた。思えば僕はいちどもファルマンと映画館に行ったことがない。ちなみに僕はそれ(2001年)よりもさらに前、「もののけ姫」(97年)が最後じゃないかと思う。えっ、嘘……。俺、もう20年以上映画館で映画を観ていないの? すごくない? もう処女膜が再生してるレベル。次に観るとき、たぶん痛い。
本日日曜日は特に用件がなく、ほぼ家で、漫然と過ごした。午後にちろりと筋トレをしたが、やはり火を見るより明らかに、熱情が下がっている。どうすればモチベーションがアップするだろう。4ヶ月後くらいにクランクインが控えていればいいのに。
恒例の24時間テレビが行なわれていたこの土日だったが、今日は来年のパラリンピックの開催のちょうど1年前らしい。オリンピック、パラリンピックまでいよいよ1年を切り、各競技においても代表選手が次々に内定し、熱が高まってきているわけだが、ここへ来て僕は飽きた。「東京オリンピック、パラリンピック」というワードに、もはや辟易している。本番までまだ1年あるこのタイミングで、僕の「東京オリンピック、パラリンピック」が入るための胃袋は満杯になってしまった。もういい。もうたくさんだ。ちょっと食べさせ過ぎだ。4年も5年も強制的に食べさせて、俺はブロイラーか。あるいはフォアグラを取るためのガチョウか。もう出荷の時期はとうに過ぎている。本当は1年くらいでいいのだ。「いま2019年ですけど、実は来年のオリンピックパラリンピック、東京でやることになってたんです!」と言われれば、素直に「マジかよすげー!」と、いい具合に本番を迎えられた。そのタイミングは完全に逸した。体を通り過ぎすぎて、もう既に過去の出来事のようでさえあるが、とにかく早く終わってほしい。