3連休ということで、ちょっとくらい普段の週末よりは遠出をしようじゃないかと考え、初日に矢掛町総合運動公園まで繰り出した。やかげちょう。地方ニュースでたまに耳にするが、なんの馴染みもない町。島根に行く際の高速道路にもぜんぜん引っ掛かっていないため、たぶん町内に足を踏み入れたのが、今回初めてだったろうと思う。当然ながらなかなかの田舎だったが、しかしもうこんな程度の田舎には慣れ切っている。それどころか、これでも岡山や倉敷へ車で気軽に行けるのだろうから、中国山地の只中にあるような山村と較べれば、田舎レベルとしてはぜんぜん高くないな、なんてことさえ思った。元シティーボーイの僕の見聞もなかなか広がったものだ。
矢掛町総合運動公園は、山の中にかっぽりと、大らかに作られた感じの公園で、わりと新しくもあるようで、なかなかよかった。過不足ないアスレチック遊具の他に、ここの目玉とされる、人工芝のけっこうな規模の滑り場があり、ここでは公園の管理するそりを借りて、滑りまくることができるのだった。僕もピイガの付き添いで滑ったのだが、頂上から下までは20メートル以上あって、見晴らしがいいこともあり、なかなかの爽快感があった。そもそもウィンタースポーツに馴染みがないため、そりで滑る、という行為そのものが新鮮に感じた。しかし新鮮とは言え、レンタル100円30分という設定は、どう考えても長すぎで、別に100円はそのままでいいから、20分か、あるいは15分でもいいんじゃないかと思った。だって上から下にそりで滑るだけなのだ。さすがに飽きる。休憩を挟みつつ、開始20分のあたりで「もういいね」となってそりを返した。返したら「えっ、もういいの?」みたいな反応を管理人にされたので、逆にびっくりした。そのあとは噴水エリアで子どもを遊ばせる。地面からいろんな出方で水が噴き出て、子どもがわあわあ喜ぶ、あのやつ。それがあることは下調べ済みだったので、ちゃんと着替えを持ってきていたのだ。なので思う存分に濡れさした。気持ちがよさそうだった。この日の最高気温も悠々と30℃を超え、しかもそれはちょうど正午ごろのことだったので、心の底から「子どもはいいなあ」と思った。ちなみに公園に着いて車から荷物を降ろすときに、期せずしてジムウェア一式を乗せたままであることが分かったため、僕もやろうと思えばやれたのだけど、水浸しになっている者の平均年齢は5、6歳くらい(ポルガが最年長くらい)だったので自重した。それから着替えついでに、持ってきた簡易テントの中で、昼ごはんを食べた。今回はおにぎりをちゃんと作ってきていた。暑さが緩んだためこういうことができる時期になった、と言うにはまだまだしっかり暑かったのだが、3連休の初日なので少々の無理をきかせた形である。もっとも公園内に売店もないし、近隣にコンビニの類もなかったため、弁当を持ってきたのは正解だった。腹ごしらえのあともひとしきり遊んで、満足したところで帰った。ずいぶん汗をかいたが、当たりの公園だった。
帰宅後は、さすがに陽射しにやられて、身体を動かすようになった最近にしては珍しく、仮眠をとった。そして晩ごはんは今年初の煮込みラーメンにした。日中は暑さで茹だっておきながら、夕飯は煮込みラーメン。いかにも夏と秋のあわい、という感じがする。セレクトが醤油、というのもこの時期らしい。これが寒くなると味噌になってゆく。もちろんおいしかった。そしてビールが異常なまでにおいしかった。
2日目はあんまりすることがなく、午後に少しだけ買い物に出た。大きい電器屋へ行き、カメラを物色したりした。ポルガの誕生時に購入したデジタル一眼レフが、これはひとえに扱いの悪さに起因するのだろうが、内部にゴミが入ったり、たぶんそれ以外にも原因はあるのだろうが、昔ほどきれいな写真が撮れなくなってきたため、なんかちょうどいいのがあれば新しいのを買ってもいいかもねー、なんて話になっていたのだった。しかしカメラはやっぱりピンキリで、高いものは異様に高く、そして安いものになると、「じゃあタブレットでいんじゃね?」という感じもあり、また下の子も5歳となり、3歳くらいまでの天使的な姿を阿呆ほど撮る、みたいな時期は過ぎたこともあり、手持ちの一眼レフの不具合さを微妙にあぐねつつも、いまいち購入のモチベーションは高まらず、「ふーむ……」という感じで売り場をあとにした。
晩ごはんは大根と鶏ひき肉の煮物と、ほぐした鶏ささみを乗せた冷ややっこ、そして秋鮭ときのこの炊き込みご飯というメニュー(汁物はなし)。並べた終えたところで、ぜんぶ茶色いことに気がついた。
3日目もまた特に用件はなく、とうとう完全に家で過した。せっかくの3連休なのに、休日の過し方というのはなかなか難しいものだな。カラオケも行ったばかりだし、プールの時期も終わってしまったし、読む本がなくて困っているということもない。まあ3連休だから初日にがっつりとした公園遊びを行なったのだと考えれば、この2日間に関してあくせくする必要はないのだけども。午後に、4人でドンジャラをした。ドンジャラはなにしろ麻雀なので、人生ゲームよりも大人がやって愉しい。今日はポルガの調子がよく、ピイガがさっぱりだった。しかしピイガの牌を取ったり並べたりする仕種は、どう見ても単なる5歳児のそれではなく、前世の熟練を感じさせた。末恐ろしい。
晩ごはんは、鶏肉を甘辛く焼いたものと錦糸卵、昨日の煮物の残り、枝豆、大根と油揚げの味噌汁。昨日の反省として、取ってつけたように枝豆を出した。
そんな感じの3連休。全体の仕上がりとして、まあまあ悪くなかったんじゃないかと思う。