おしゃべり日記

 9時過ぎまで寝る。とは言え寝たのが2時半頃だったので、特別多く寝たわけではない。11時に寝て6時に起きる生活リズムが理想的で、休日もそれを崩さないほうがいい、ということが雑誌に書いてあったが、なかなかできることではない。休みの前夜にはめを外さずにおれないのはもちろんのこと、平日の11時就寝だって現状ままならない。11時に就寝するということは、10時半くらいに歯を磨いたりして、45分くらいには布団に入らなければならないということだ。それって普通に「水曜日のダウンタウン」とか、深夜でもなんでもない時間帯の番組をやっている時間ではないか。でも6時間弱しか寝ないのと、たまに一念発起して(というより寝不足が募って)7時間きちんと寝たのとでは、次の日の調子がぜんぜん変わってくるのはまぎれもない事実で、なるべく努めようと思う。週末は心に余裕があるのでそんなことを思う。いざウィークデイが始まると、10時台に寝る準備に入るだなんて夜なんにもできないじゃないかよ! とすぐ反故になる。
 今日は午前中に一家で買い物に出掛けた。スーパーや100均など。なかなか有意義な買い物ができた。パッと行ってパッと帰った。
 昼ごはんはざるそば。とろろも添える。おいしい。
 そのあと子どもと僕とで散歩がてら近所の公園に繰り出した。たまにはそんなことをしてやる。もっとも僕自身もバトンを回したいという目的があった。ポルガは自転車、ピイガは補助輪付き自転車で、僕はピイガの面倒を見ながら歩いた。まだ最高気温が28度くらいあるのだが、そうは言っても気候が往時とは明らかに違う。わりと歩きやすかった。公園では他のファミリーもそれなりにいたが、気にせずバトンを回した。僕の幼少時代、公園で遊んでいて、大人の男がバトンを回しているところに遭遇したことはなかったなあと思った。バトンはここ数ヶ月サボり気味だったので、指さばきが鈍っている感じがあった。もっともこれはピアニストとかバレリーナとか、そういうレベルの話。傍目には判らないだろうけど、本人にだけは判っちゃうというタイプのやつ。オンシーズンに入るので、これからはまたせっせと練習しようと思う。
 帰宅後は晩ごはんの下拵えをしつつ、手仕事。ピイガの体育帽の紐が、ノビノビになってしまったのを先週に付け替えたのだが、なんと1週でまたビロビロにしやがって、仕方がないのでまた直した。「なんでそんなことになるんだ」と訊ねたら、「こんな風にする」と言って、アメリカンクラッカーのごとく紐の部分を持って帽子を回転させるのを実演してみせた。すんな。2週間後の運動会まで、持つだろうか。持たない気がする。それともうひとつ、ポルガの最近の素行の悪さ(やることにメリハリがなく、ダラダラと漫画ばっかり読み、物を散らかすだけ散らかして片付けない)を憂え、この子になにか集中できることを与えてみようと思い、クロスステッチをやらせてみることにしたので、その指導をした。午前の100均でポルガ用のそのセットを見繕っていた。クロスステッチと言っても、マス目を埋めてドット絵を描くような本格的なものではなく、布に描いた絵を、ランニングステッチは乱れやすいので、クロスステッチでなぞり刺していく感じで、とにかく主な目的は集中力の向上である。そして持ち物の管理、片付け。ケースも買ったので、それを裁縫箱とし、小鋏やピンクッションに挿した針(1本だけ支給)、糸や縫いかけの布などを、使ったあとは必ずそこへ戻すという約束をした。嵌まってくれればいいなあ。
 晩ごはんはミネストローネとミートローフ。数日前に、メンチカツを食べたい気持ちがにわかに湧いて、そこからスコッチエッグに気持ちが行って、しかしここ数日のメニューを鑑みて揚げ物はよすことにした結果、ミートローフへと着地した次第である。オーブンは面倒なので蒸し焼きにして、結果的にただのうずらの卵の入ったハンバーグみたいなものになったが、うずらの卵の入ったハンバーグはおいしいに決まっているので、普通においしかった。ワインが飲みたい、と思った。こういう料理を食べると、「正解はワインなんだろうな」感からそういうことを思うが、ワインの素養は一切ない。もう10年以上口にしていない。ワインと言えば、タイムリーに祖母から葡萄が届いた。これまでもなんかしら日記に書いてきたと思うが、毎年必ず届く、甲州である。これが正直あまり美味しくなく、毎年持て余す。甘味が強かったり種がなかったり皮ごと食べられたりする、最近のよく品種改良されたものとはぜんぜん違う、祖母の長い長い、おそらく半世紀以上の誼のある所で作っている、昔ながらのストロングスタイルの葡萄で、子どもはろくに食べないし、大人でさえ口に運んでは「むー……」と唸るほどに武骨な食味である。ワイン作りには多用されているそうで、なにしろワインに関しては無知なのでよく分からないが、ワインには適しているのかもしれない。酸味と渋味がある。お値段のほどはよく知らないが(別に安くもないのかもしれない)、おばあちゃん、たったひと房になったっていいから、この代金で巨峰が欲しいよ、と思う。もちろん言えやしないけど。