帰省最終日。15時ごろ東京駅発の新幹線に乗るまで、上野科学博物館をたっぷりと堪能するため、朝早く実家を出る。次に実家に行くのは5月か8月か。この2年、5月に帰るのが続いているが、来年どうなるかは分からない。家を空ける時期をウェブ上に記すのは不用心なので、まだ本当に決めていないだけだが、行って帰ってくるまでは濁す。
あざみ野から上野へは、田園都市線から半蔵門線へ直通で表参道まで行き、そこから銀座線に乗り換えるのが、普段なら得策らしいのだけど、なんかものすごくタイムリーに、この年末年始に銀座線のそのあたりの工事をしていて全日運休だったため、仕方なく渋谷で降りて山手線を使うことにした。渋谷で降りてJRの乗り口までの移動は、駅の様相は多少変われど、さすがにお手の物なのだが、今度は意図的に地上に出た。そしてハチ公やスクランブル交差点で記念写真を撮った。外国人ばかりが同じことをしていた。山手線は、渋谷から上野へ行こうとすると、もはやどっち回りでも関係ないほど正反対で、かなり時間が掛かった。
電車はたぶん普段よりもずいぶん空いていたに違いないが、上野に降り立つと、かなり盛況していた。今回は科博にしか意識がいっていなかったが、たぶん美術館や動物園なども、2日からの営業開始なのだろう。ちなみに上野動物園に前回行ったのは、日記を見たらちょうど2年前の正月だった。あの一家がインフルエンザで全滅した年末の正月。あの頃は科博なんて完全に意識の埒外だった。だとすれば数年後には、美術館のために上野に来ることになるのだろうか。たぶんその可能性は低いけど。
科博は、いま特別展でミイラ特集をやっていて、世界からミイラが何十体もやってきているというそちらは大行列だったのだけど、常設展のほうはそうでもなかった。ちなみにミイラ展は、わが家は子どもたちが本気で怖がるために行くという選択肢はなかった。もちろん僕とファルマンも別にミイラなんて見たくない。というわけで常設展をじっくりと見て回った。そのスケールはさすがのもので、岡山にも島根にも科学館みたいなものはあるが、それの超特大版という感じで、見応えがあった。なんてったって化石や剥製の迫力がすごい。感動しながら眺めた。眺めている最中、ファルマンがブフォッと笑った展示があり、なんなのか見てみたら「ヤリマンボウ」という魚の複製で、この人って本当に低レベルの下ネタに弱いな、と思った。絶滅動物や原始人に興味のある我が子のために科博に来ておいて、「ヤリマンボウ」で爆笑する母親。ファルマンはしばらくの間、「今年の初笑い」といいながら笑っていた。それならよかった。一家で来た果以があったというものだ。途中で館内のレストランで昼ごはんを食べ、午後もしっかりと展示を眺め、開館の9時過ぎから14時過ぎまで、たっぷりと味わった。これは来てよかった。
そのあとは駅に戻り、今度は短い山手線で、東京駅に移動する。東京駅では獅子舞に遭遇した。ただでさえ正月の混雑する東京駅に獅子舞が現れると、こんな華やかで賑やかな感じになるのか、と感心した。いいものを見た、と思った。ポルガは怖がって拒んだが、ピイガを連れて頭を噛んでもらうやつをやってもらった。そして新幹線に乗り込んだ。今回の帰省は、Fミュージアムも、科博も、きちんと行きたい所に行って、ちゃんと見て回れて、本当によかった。子どもたちの体も強くなったものだ。