大きな公園へ、おにぎりを持って遊びに行く。まだ2月である。無茶だ。でも近ごろ、梅雨じみたはっきりしない天候が続き、気温的にも寒いんだか暖かいんだか分からない感じがあり、さらにはインフルやらコロナやらで人ごみに対する警戒心が強まっているとなったら、なんとなく閉塞した心持ちに傾きがちで、山陰じゃあるまいしそんな精神状態に陥ってたまるかと発起し、繰り出したのだった。
季節ごとの花が名物の公園だが、時期が時期なのでまだなにも咲いていなかった。もっとも花を尊ぶ人間は一家の中にいない。子どもたちはやはり公園の一角にある、わんぱく広場の遊具に夢中だった。この公園には、過去2回来たことがあり、最初は岡山に来た年の初夏くらいのことで、ポルガは3歳、ピイガはまだ生後半年ほどだった。その頃のことを思えば隔世の感がある。岡山での暮しは長くなり、子どもたちも成長したことだ。
遊具でばかり遊ばれると、それをじっと眺めるほかない大人たちは寒くて仕方ないので、せっかく大きい公園なんだから散策しようよ、と遊具から引き剥がす。そして歩いた。山に作られた本当に大きな公園なので、遊歩道といってもスケールが大きい。「←植物園」という立て看板があったのでそちらのほうに進むと、もはやこれは散歩でもなければピクニックでもなく、さらにはハイキングでももはやなく、オリエンテーリング的なイベントではないか、と感じるような鬱蒼とした山道を行かされた(しかもあまりに道程が長く、そして本当にひとりの人ともすれ違わなかったので、おそろしくなって途中で引き返した)。そのあとはもうちょっとメインの遊歩道を通って、池の鳥や鯉、亀などを眺めたりして、気温や陽射しもちょうど求めていたような度合で、純然たる散歩を愉しんだ。途中、ひと気のあまりない原野のようなエリアに出たので、今回の公園行きのもうひとつの目的であった、Tシャツ写真の撮影も行なった。この模様は「nw」に書く。一瞬だけがんばってTシャツ姿にはなったが、さすがに外でおにぎりを食べられるような暖かさではなく、駐車場に戻って車内で食べることにした。しかし車に乗り込む前に、売店などの物販コーナーを覗いたら、自由にごはんを食べたりしていい休憩所があったので、これ幸いとそこで食べた。外弁当の情趣の、65%くらいを享受でき、この時期のそれとしてはとても秀逸な結果であろうと思う。
帰ってからは、おにぎりだけだとお腹が空くのでパンを食べ、そのあとは映画のハリーポッターを観た。実は昨日の夜に「炎のゴブレット」を観ており、そのため今日は「不死鳥の騎士団」を観た。映画のハリーポッターって、観ても「(役者が)成長した!」と、「展開はや!」くらいしか感想が出ない。こんなふうにいうと、原作をきちんと読み切ったことを鼻にかけているようだが、しかしどう考えても、原作を読んでなきゃこんな映画ぜんぜんおもしろくねえだろう、と思った。
晩ごはんは餃子と、サッポロ一番塩ラーメンをベースに野菜たっぷりのタンメン風に仕立てたもの。餃子は昨日がメインで、今日はその残りを焼いた次第である。どちらもおいしかった。今日は日中は陽をたくさん浴びて運動もしたし、夜はしっかり栄養を摂ったしで、休日の過し方としてたいへん素晴らしく、リフレッシュができたと思う。精神的にけっこう晴れた実感がある。よかった。この冬がちゃんと寒くならなかったのは、いろんな意味で困窮したが、もうこうなったら半端に寒いのもスパッと終わって、外ごはんとか、Tシャツとか、早くそういうのができるようになってほしい。宙ぶらりんの状態は短いほうがいい。