GW出だし

 GWである。9連休である(初日の土曜日は出勤だった)。長い。とりあえず嬉しい。かつてサービス業だったので、長い連休のことは、自然に降りかかるものではなく、きちんと前のめりに享受して、しみじみと嬉しいと思う。
 日曜日はショッピングモールに出向いた。モールでは野外スペースにテント屋台が並び、ステージも設営され、大型連休の意気込みが感じられた。しかしいかんせん天候が悪いのだった。本当に、GWに入った途端に嘘みたいに天候が悪い。ウィークデイの夏日は幻だったのか、というくらいに雲が立ち込め、風が冷たい。人はそれなりにいたけれど、晴れて暖かかったらもっと賑わっていたんだろうな、と思った。
 明けて今日は、いかにもGWらしい外出として、この期間中コンベックス岡山というイベントホールで開催中の、「からだのひみつ大冒険」へと繰り出した。ポルガが小学校でフライヤーをもらって帰ってきて、ぜひ行きたいと言うので、まあGWだし、たしかにいかにもポルガが好きそうな内容だし、行ってみるか、ということになったのだった。コンベックス岡山へは、これが初めての来館である。会場に近付くと、駐車場に入るために道路上に車の列ができていて驚いた。それでもなんとか車を停めて会場まで歩くと、なんと建物の前にも人々の長蛇の列があった。チケットを買うための行列だという。マジか、と思う。これは、そんなにものイベントだったのか、とここで覚悟を改めた。ちなみにチケットを買うための列へは、我々は前売り券をローソンで買ってあったので並ぶ必要がなかった。これは本当によかった。前売り券のほうが安いから、というだけの理由で買ってあったのだけど、そうでなければ待ち時間は約60分だという。60分、定価のチケットを買うために、昨日に引き続いて今日も冷風の吹きすさぶ中、子どもが確実に死ぬほどグズる中、待ち続ける。想像しただけでぞっとした。しかもチケットを持っててもそこから入場のために並んだからね! 15分程度だけど! マジでどんだけ混んでんねん! それでもやっと入場すると、そんな風にして入った会場内が混んでないはずも当然なくて、入場前の様子から察せられてはいたのだけど、いくつか設置された体の仕組みをモチーフにしたアトラクションは、そのどれもに行列ができていて、その列がまた子どもが多いものだから混沌としていて、それはもうひどい有様だった。僕とファルマンはどんどん無表情になり、来る前は顔を輝かせていたポルガは会場内ではずっとキョトンとした顔をしていて、ピイガは完全にダレていた。自然公園に連れてきたときの子どもたちとは、別人のようだった。それでもなんとかそれなりにいくつかアトラクションをこなすと、割と早々に「出るか」「出よう」となって、退館した。時計を見ると、入場から1時間に満たない退場だった。なんてことだよ、と思った。人が多すぎたのはもちろん愉しめなかった原因としてあるだろうが、しかし全体をいちおう眺めた結果として言わせてもらうと、これは別に人がいなくても、大しておもしろくないイベントだと思う。悔しくて言っているのではない。アトラクションでやらせることはショボいし、知識方面も子供向けの図鑑のページを印刷したようなものが壁に貼られているだけ。きわめて内容が薄い。これはひどい。ちなみに一家でチケット代、4000円。なかなか痛い勉強代になった。ディズニーランドとかUSJとか行きたい、ということを子どもたちが近ごろ言い出しているのだけど、あれらの行列はこれよりももっとひどいわけで、人が多くて何をするにも行列に並ばなければならないということがどれほど嫌なことか、ちょっと思い知ってくれたと思う。少なくとも親は思い知った。あと前売り券を手に入れておくのはとても大事。そんな教訓を得た4000円だった。4000円と言えば、たぶん一家でスポッチャとか行ったらそんな値段になると思う。そっちだったろうな。
 思っていたよりも早い帰宅になったので、午後からスーパーに買い物がてら、ひとりでプールに繰り出す。ただの25メートルプールしかないプールは、GWだから人が多いということも一切なく、いつもの調子で淡々と泳げ、午前中の苛立ちが洗い流された。
 そんな感じでGWの出だしの2日間を過した。天気と同じで、あまり冴えない。