スマホにとことん嫌気が差していて、一刻も早くタブレットに戻りたい、という嘆きを9月の終わりに書いた。
そしてこのたび、購入資金が調達できたため、めでたく新しいタブレットを手に入れ、かくしていちどの過ちとしてのスマホを経て、再び僕はタブレットの人となったのだった。
なにぶんスマホの小ささに対する怨嗟が募ってのこの行為であるからして、タブレットはタブレットでも、すごく大きいやつにしてやろう、そうでなければ意味がない、という発想から、なんと10インチのものを選んでしまった。スマホになる前のタブレットが、たぶん8インチ弱くらいのものだったので、それより大きいなんて素敵だなあ、画面が見やすいなあと単純に思った。そして注文して2日後に届いたものを見て、ちょっと度が過ぎたな、と思った。画面の見やすさと扱いやすさは反比例する。見やすさのほうにあまりに振れ過ぎた。10インチってどんな大きさかといえば、ほぼB5である。大学ノート。8インチのときはまだ携帯電話のほうの自治体に在籍していたのが、10インチになって、いよいよパソコンのほうに移住した感じがある。「反動って恐いね」とファルマンはいった。
スマホの小ささのなにが嫌だったかって、あんな小さい画面をせせこましく見ている様、というのはもちろんとして、なによりキーボードの打ち間違いが多すぎて、それで大いにストレスが溜ったのだけど、10インチならその悩みからは完全解放だね、と思いきや、画面があまりにも大きすぎて、縦に持った時でさえ、キーを押す親指が画面中央まで伸ばしづらく、なにより空中で手の力だけで持ち抱えてキーを打つ操作をするには機械そのものが重くて、これはこれでスマホとはまた違った形でキーボードは打ちづらいのだった。「過ぎたるは及ばざるがごとしだね」とファルマンはいった。本当にファルマンだろうか。俺の妻の皮をかぶった孔子様ではなかろうか。
まあそんな新しいタブレットなのだけど、それでも声を大にしていいたいのは、スマホよりかはよほどいい、ということである。僕は本当にスマホがダメだった。スマホユーザーとして過したこの半年間で、精神が腐敗した。これからゆっくり回復していきたい。そして次にタブレットを買うときは、7~8インチのものにしようと思います。