GWの4日間を、まあまあ満足のいく出来で終えようとしている。その記録をしてゆく。
初日、5月3日は、このGWで唯一と言っていい、予定していた計画として、米子へと繰り出す。米子市美術館で開催中の、さくらももこ展が目当てである。わが家では現在、主にピイガが、「ちびまる子ちゃん」から入り、「コジコジ」にドハマりして、さくらももこワールドにどっぷりと浸っているのだった。また米子というのが、普段よりちょっとだけ大掛かりなGWの外出先として、非常に適当な位置関係であり、実に都合がよかった。しかも、次女一家の長女(ピイガと1学年違い)も同じく「ちびまる子ちゃん」が好きなので、それではこの日に、兵庫からまたこちらに帰省してくる次女一家と、あちらとしては通り道である米子で落ち合って一緒に観賞しようという、見事な計画を春休みの際に立てていたのだった。
というわけで、昼まで部活だったポルガを学校で拾い、昼過ぎから米子に向けて出発する。ちなみに計画を話したところ三女も行くということになり、同乗していた。さくらももこはすごい。女子は35年前くらいからずっとさくらももこが好きだな。車内音楽は、この日専用のプレイリストを作り、子どもやファルマンがめいめい好きな曲を入れる中、僕だけは律儀に、アニメ「ちびまる子ちゃん」の歴代主題歌などを入れていたのだが、残念ながら行きではほとんど掛からなかった。ちなみに「ちびまる子ちゃん」だけでは、ひとりの持ち数である10曲に達しなかったため、「ドラゴンボール」の主題歌も入れた。これはなぜかと言えば、同じく米子にある天満屋というデパートで、ちょうどドラゴンボールのポップアップストアが開催されていたからだ。僕が熱烈な「ドラゴンボール」ファンであれば、女どもがさくらももこ展に行っている間、俺は「ドラゴンボール」のほうへ、という、まるで30年前の男子と女子のような図式になっておもしろかったろう。もちろん天満屋へは行かなかったし、さらに言えば「ドラゴンボール」の曲も行きではほとんど掛からなかった。僕の入れた曲は、行きでは「MajiでKoiする5秒前」しか掛からなかったんじゃなかったか。
目的地には13時半くらいに着いた。次女一家は兵庫からなので、正確な時刻での待ち合わせなどはもちろん不可能で、先に着いたほうが美術館の中で鑑賞しながら待ってればいいよね、という感じだったのだが、運の悪いことにこの日の高速道路は事故が重なり、通行止めになる区間などもあって、この時点で次女一家はまだ岡山県という有様だった。これはだいぶ待つことになりそうだねえ、などと話しながら、家族と三女を美術館前で降ろした。降ろして、僕はひとりで次の目的地へと向かった。もちろんドラゴンボールショップではない。どこかと言えば、僕の日記をきちんと読んでいる人はすぐピンと来ると思う。
そう、ラピスパだ。3月の鳥取遠征の際、少しだけ色気を出したけど、疲労から行くのを断念した、サウナ温浴施設。「ラピスパは長い人生、いつか行く機会がある気がする」と3月の際に書いたが、意外と早くその機会は巡ってきた。もっとも同市内と言っても、米子市美術館からラピスパは片道で20分ほど掛かるので、往復で40分かー、という気持ちも多少あったが、今度こそ行かないとまた後悔が尾を引きそうだな、と思い決行した。
というわけで、ようやくのラピスパ初来訪となった。ちょうど、どちらかと言えばこっちがいいなあと思っていたガーデン風呂が男風呂の周期だったのもよかった。GWということで大混雑だったら嫌だなあと思っていたが、さすがは山陰、ほどほどの混み具合で、なんら問題なかった。名物のバレルサウナは、熱の感じがどうこうというより、室内がかなり暗くて、そのことに驚いた。言われてみればサウナってあんまり明るい意味ないよな、と思った。外気浴は、やや冷たい風が気持ちよかった。コールマンのインフィニティチェアが、とてもいい座り心地で感動した。ちなみにラピスパにはプールもあり、もちろん水着も持参していたので入ったのだけど、直線ではなく、円の中を歩いてジェットを体に当てたりする、健康増進目的みたいなプールで、さらにはファミリーもそれなりにいたので、プールとしての喜びはまるで得られず、早々に退散した。幸い、この2日前からプールには困っていないので、ガツガツしていないのだった。
満足いくまでサウナを堪能し、それまでもちょくちょく連絡がないか確認はしていたのだが、ぼちぼちそちらへ戻ろうと思うよとファルマンに連絡したところ、向こうも美術館観賞を終わろうとしているが、次女一家は未だ来ていないということだった。そのあと4人を再び美術館前で拾ったあと、待機ついでに天満屋のドラゴンボールショップならぬ、高島屋で開催中の「うまいもの博」なんかを覗いたりもしたのだけど(島根にはもはや存在しない「百貨店」というものの雰囲気を本当に久しぶりに味わった)、この日の高速道路は本当に厄日だったようで、次女一家のさくらももこ展行きは断念され、米子での合流は成らぬまま、それぞれ実家を目指すこととなった。なんだかんだで、実家にはほぼ同じくらいのタイミングでたどり着いた。次女一家は、米子に13時台に着けるよう午前中に出発しての、夕方のゴールである。おつかれさま、としか言いようがない。さくらももこ展のグッズショップで買ったおみやげだけ渡し、この日はほぼ挨拶だけして、われわれは自宅に帰った。
翌日は、GW中の唯一のイベントが終わったので、いとこと遊びたがる子どもたちを実家にうっちゃって、これからの3日間は家でのんびり、やりたいと思っていたことをひたすらやろうと目論んでいたのだが、サービス精神なのか責任感なのか、我ながらよく分からない心の運びなのだが、気がついたら午前中に買い出しに出て、昼には実家のホットプレートでパンケーキを焼いていた。ほのかにしか甘みのついていない粉を使用し、パニーニのような感じで、キャベツとソーセージを乗せて包んで食う感じにしたものをまず全員分作って昼ごはんとし、残った粉を長方形のプレートのように焼いて、熱を取ったところで、チョコペンで、つい先日3歳になった次女の次女への祝いの言葉を記し、さらにはホイップクリームやカラフルなチョコスプレーでデコレーションしたものを作った。冷静に考えると、なんで義理の伯父が急にそんなことをするんだろうという話だが、もはや性分としか言いようがないのだった。ちなみに僕とファルマンはそのケーキ的なものは食べず、昼ごはんを済ませたあとは早々に帰った。帰ったあとは、とても静かな自宅で、裁縫をして過した。母の日に、また手作りのものを送ろうとしていて、その作業である。まあまあ進む。夕方に娘たちを迎えに行った。
翌日こそはのんびりしようとも思ったのだが、空がとても晴れ渡っていて、このまま子どもたちをただ実家に連れていったら、昨日の午後のように、ひたすら室内でグダグダワアワアと過すのだなと思うと、せっかくのGWの、それも子どもの日だというのに、あまりにも不憫であろうと、またひとりで勝手に気を揉んで、海に行くことを企画してしまう。なんかひとり、やけにジタバタしているような気がする。誘ったら誘ったで実家の面々も応じ、義父の車と2台に分かれて、キララの海岸へと向かった。GWの海は、泳ぐにはさすがにまだ温度が低いけれど(海開きももちろんまだ先だ)、足を浸すのには十分なあたたかさで、僕は(実は持っている)バミューダパンツ型の水着をハーフパンツとして穿いてここまで来ていたので、わりとぐんぐん海の中を突き進み、腰くらいまで入水し、海の感じを堪能した。海は波があってやっぱり愉しいな。子どもたちも着替えを持ってきていたので、ハーフパンツが水浸しになるまで海に入っていた。そして他の大人たちは砂浜からわれわれのことを眺めていた。どうも昨日、いやおとといから、GWを思う存分に堪能しようと、ひとりで躍起になっている。生き急いでいるのだろうか。海での遊びを終え、昼ごはんは義父母の奢りでマック。海で遊んでマックだなんて、なかなかいいこどもの日になったじゃないか、と満足した。
そのあとはまた子どもだけ実家に残し、夕方まで自宅で過すパターン。この日は、これもGWにやりたいと思っていた、部屋の模様替えをした。模様替え、一時期は趣味なのかな、というくらい頻繁に行なっていたが、今回はだいぶ間が空いた。やったのは僕とファルマンの部屋の、タンスと工業用ミシンの入れ替えがメイン。これまで、パソコンが置いてあるテーブルの、すぐ背面にタンスがあり、僕のイスのせいでタンスが開けづらいというストレスがあったのだが、ならばタンスと工業用ミシンの場所を入れ替えれば、タンスは開けやすくなるし、僕は前を向けばパソコン、後ろを向けばミシンという、逆にどうしてこれまでその形にしていなかったのか、というくらいいい形になるのではないかと、少し前から構想していて、今回GWに一念発起してその作業を行なったのだった。ついでに生地の整理などもして、結果的にとてもいい形を作れた。本当にやってよかった。これまでパソコン用のイスとミシン用のイスという、僕のためにふたつのイスが部屋にあったのだが、これがひとつでよくなった。ファルマンのお下がりで使っていた、図体のやたらでかいオフィスチェアは、粗大ごみで棄てることにした。というわけでいま座っているのは折りたたみの簡素なイスなのだが、簡素は簡素で別にいいのだけど、これを360度回転するスツールにしたら、本当にくるっと身を翻すだけでパソコンとミシンが行き来できるようになって最高だな、などと考えている。やって達成感はあったが、午前中の海遊びもあり、いかんせん疲れた一日だった。
翌日、最終日の今日は、次女一家は兵庫へと帰還するわけだが、これを見送ろうと考えると、予定していた時刻がどんどんずれ込んで、結局半日以上を棒に振るという事態になるので(春休みの際それをやってしまったのだった)、午前中はショッピングセンターに行ったり図書館に行ったりという用件をこなし、その帰り、昼前くらいに実家に顔を出し、見送れるなら見送るし、まだ出発しないようなら昼ごはんの前に退散しようという作戦を立てた。大きなダイソーにも行って、昨日の模様替えで必要性が出てきたケースなど、多数調達する。以前500円だったはずのケースが700円になっていて、どうしても必要だったので4つ買ったが、だいぶテンションが下がった。朝に聞いた出発予定時刻は11時とのことで、しかし次女一家のことだから11時に出発ということはあるまいと見込み、われわれの実家への到着が11時ちょうどになったのだが、そのとき次女たちはどんな状況だったかと言えば、なんかまだショッピングモールに買い物に行っている最中とのことで、じゃあ逆になんでいっつも実現できるはずのない出発予定時刻を伝えるんだよ、と軽く憤りを覚えた。子どもたちは家で留守番をしていたので、子どもたちはいとこらと最後の交流ができ、正午になっても帰ってこなかったので、当初の予定通りわれわれはそこで自宅に帰った。あとから聞いた話によると、それから数十分後に帰ってきた次女たちは、そのあと実家の面々と近所のファミレスに昼ごはんを食べに行き、それから出発したという。なんで! なんでショッピングモールで! 車の中で食べられるような! 適当なものを! 買って帰らないのか! 返す返すも、意地でも見送るために待とうだなどと考えなくてよかった。次に来るのは夏休み。まあまあ間が空くな、と思ったが、それってもう2ヶ月半後くらいのことなのだな。
午後からは、GW最終日を、こうして日記など書いたりしつつ、それなりにのんびりと過した。母の日の手作り品は、まあまあ進んではいるけれど、もう今週の日曜日である母の日に、配達日数も含めて間に合うか、と言われれば難しそうだ。まあ当日にこだわりはないので別にいい。夕方、「買い物に行ってくるわ」と家族に伝え、こそっとプールへと繰り出す。昨日やおとといは混んだのかもしれないが、最終日の夕方ともなれば穏やかなものであった。明日からは日常。GWが終わると、しばらく真っ当な暦となる。泳いでストレスを解消しながら、なるべく心地よく暮していこうと思う。