嬉しいのんびり週末

 先週の3連休がバタバタだったので、4日間の労働をこなして手に入れた、特になんの予定もない週末が、とても愛しい2日間だった。
 土曜日の午前中は、いつものスーパー巡りに繰り出し、そのままプールへも赴いた。ここまでの4日間は、プールに行くこともままならなかったので、久々である。午前中の陽射しが水面を照らし、気持ちがよかった。
 午後は家族で少しだけ買い物に出たが、基本的に家の、それも自室にこもり、好きなように過した。岡山で手に入れたニット生地や、ネットで注文した水着用の生地など、いま新しい生地が充実しているので、とても満ち足りているのだった。注文する前もだいぶ長い期間ワクワクしたし、届いて以降は当然テンションが上がるので、非常にコスパがいいと思う。それの裁断をしたり、合間で筋トレをしたり、のんびりと過した。午前中にプールをやったことでの、うっすらとした倦怠感もまた、いいエッセンスになっていたと思う。
 晩ごはんは、手羽元のフライドチキンと、フライドポテト、そして納豆のパスタ。最初はもちろんビールだけど、そのあとの赤ワインのこともだいぶ念頭に入れているメニュー。ワインの情趣というものが、最近になってようやくきちんと理解できてきた感がある。
 プールに行って、裁縫をやって、揚げ物を食べて赤ワイン。至福の休日であった。
 翌日の日曜日も、引き続きゆったり過す。午前中はcozy ripple名言・流行語大賞のための読み返し作業に勤しみ、無事に11月までの記事を完読した。読みながら候補語をピックアップしていくわけで、この時点で選考はすでに始まっている。さらには、パピロウヌーボでのプロ角と優香の掛け合いなどもうっすら考えはじめている。愉しい。
 午後は、ポルガが英検の受験だったので、その送迎がてら、出雲ドームで行なわれていた産業博というものに3人で赴いた。この企画には、なんだかんだで3年連続で顔を出している。この3年、毎年規模が大きくなっているのは、コロナ明けのグラデーションということなのだろうな。今年の様子が、本来の状態なんだろうと思う。ファルマンとピイガは、それなりに愉しんだようだった。僕は出雲ドームに行く用事があると、大抵の場合、その向かいにある生鮮食品おだというスーパーに行くことのほうが主目的になり、今回もその例で、ひとり買い物を済ませてからドーム内に足を踏み入れ、ふたりを探しがてらぐるっと回ったら、もうそのあたりでポルガから試験終了の知らせが来たので、さっと切り上げた。
 晩ごはんは、なんとなく食べたい機運が高まったので、少し面倒だったが、かつ丼にした。満足のいく出来になったのでよかった。
 岡山に行ったりするの、それはそれでワクワクするが、こういう大した用件のない週末の尊さというのもすさまじいものがあるな、と思った週末だった。

11月の岡山へ

 岡山に行ったのだった。3連休の最終日、11月4日のことである。
 前回はたしかGWだったよな、とぼんやり思っていたが、いま日記で確認したら、4月初頭であった。ということは7ヶ月ぶり。11月に入り、今年って経過がやけに早くないか、と思うことがたびたびあるのだけど、この7ヶ月にもだいぶ驚く。
 行った目的はもちろん、ポルガがいつもの友達と遊ぶためであり、他の3人はその送迎ついでに岡山で半日を過すという、前回と同じパターンである。ちなみに先月に亡くなったファルマンの母方の祖父のことも、もちろん頭には思い浮かび、告別式にはファルマンしか参加できなかったので、どこかのタイミングで墓参りに行かなければならないとは思っているのだが、今回はまだ四十九日前ということもあり、そちらの用件は見送った。
 島根から岡山への所要時間は、2時間半から3時間といったところで、その往復をしつつ、中学生がとりあえず満足する程度の時間、遊ばせてやらねばならないので、出発時刻はどうしたって早くなる。7時半になる前に車に乗り込み、車内で朝ごはんを食べながら移動する。山間部の霧がすごかった。
 友達とはいちおう11時の待ち合わせにしてもらっていたが、滞りなくたどり着けたので、連絡して30分早めてもらった。最寄り駅に戻ってくる電車の時刻は事前に定めてあるので、合流が早ければその分だけ遊ぶ時間が稼げるのだった。
 というわけでポルガを降ろし、ここから5時間ほどを、なんかかんかして過さねばならない。これについて、7ヶ月前はわりとあぐねて、かつての職場の方面へ車を走らせるなどという錯綜をしたが、2度目ともなると慣れたもので、というより達観し、今も密接にコミュニケーションを取っている友達のいるポルガ以外、残りの3人は、引っ越しの時点で7歳だったピイガはしょうがないとして、7年あまりも暮した岡山に、実はもはやなんの感慨もないのだ、会いたい人もいなければ行きたい場所も特にないのだ、薄情な人間なのだ、という厳然たる事実を正直に認め、ジタバタせず、7年暮した経験などない人とまったく同じ時間の潰し方、すなわちショッピングモールに行く、という選択をした。全国津々浦々、どこにもあって、そして決して裏切らない、天下無敵のイオンモールである。イオンモールの包容力は、どんな人間も取りこぼさないのである。
 もちろんイオンに行ったからには、パンドラハウスに行って、ニット生地を見るのは欠かせない。暮していたときにはまるで享受しなかった恵み。島根の手芸店では、ニット生地はほとんど売ってない。ただし今回は時期が悪かったか、収穫はそこまでではなかった。冬用の生地が売り場の面積を多く取っていて、ショーツに使えそうな薄手のニットは肩身が狭そうだった。まあしょうがないな。次に行くときは、暖かくなっている頃だろうから、次回に期待だ。
 やがて昼時になったが、前回フードコートで失敗したのでなんとなく忌避感があり、時間もまだまだあったので、今度はアリオに移動することにした。車で15分ほど。それにしても岡山の人は本当にウィンカーを出さない。ジョークじゃなく出さない。もちろん全員が出さないわけではないけど、「出さない人が多い」って、とんでもない土地柄だと思う。
 このタイミングでアリオに行ったのは、昼ごはんを竹清にしようという魂胆があったからだ。香川県のうどん屋。当時はけっこう利用していた。でも久しぶりに行ってみたら、当時と変わりはないのだけど、行列だし、座席の確保が大変だし、うどんはセルフで湯がかなければならないし、つゆも自分で注がなければならないしで、わりと大変じゃないか、と思った。なんで幼児ふたりを連れて、たびたび来ていたんだろう。今はもう、上の子は友達と遊ぶようになり、下の子も小5で、楽になったものだと思った。ちょうど隣の席に、夫婦と幼女ふたりという、当時のわが家のような一家が来て、お母さんは娘たちの世話をし、お父さんがうどんの世話をしていて、どちらもなかなか大変そうで、こんなんだったなあ、と思った。ちなみにファルマンは今回、「初めてうどんを湯がいた」と言っていて、本当に当時いちども、うどんのほうの作業はやらせることがなかったらしい。湯切りが不十分だったらしいファルマンの丼のつゆはなんか濁っていて、「味が薄い」と言っていた。やらせると途端にそうなるのかよ、と思った。
 久しぶりのうどんを堪能したあとは、アリオやアウトレットをウロウロし、ソフトクリームなんか食べたりして過した。まあ本当に、ショッピングモールで休日をこなす、という感じに過した半日であった。
 ぼちぼちいい時間になったので、ふたたびかつての最寄り駅へと戻り、ポルガを待ち受ける。無事に予定通りの電車で戻ってきた。予定通りの電車とは、すなわち16時半到着の電車である。ここから島根に帰るのだ。なかなかじゃないか。3連休の、初日か、中日だったらいいだろう。しかしいろいろ都合もあって、最終日なのだ。翌日は労働なのだ。帰り道は西に向かって走るから、夕暮れが長く続いた。
 帰宅は20時前で、時刻としてはそう深いわけではないけれど、いかんせん疲れた。労働は半覚醒でやり過ごしたし、それなのにその晩から取り掛かった日記の文章は、ご覧のとおりに大いに崩れた。2日経って、ようやく回復したように思う。この日に限らず、盛りだくさんの3連休だったのだ。無事に済んでよかった。