年の瀬である。
今年のクリスマスも見事な平日で、24日が水曜日ともなると、前と後、どちらの週末にずらしても間が抜ける感じがあり、仕方なく暦どおりにクリスマスディナーを催した。
メニューはミートグラタン、ピザ、ローストチキン、生ハムといったラインナップで、ローストチキンは義実家が「自分たちのついでに買ってやる」というので、ありがたく申し出を受けた。持ってきてくれたのはアヒルかなんかだろうかと思うような巨大なもので、値段を見ると1本1000円ほどもしていた。だとすればついでに買ってくれたわが家の分だけで4000円である。義実家は平時より経済をきちんと回しているなあという印象があるが、年末年始はさらにその箍が外れている感がある。今年も間違いなく豪勢なおせちを予約していることだろう。
ローストチキンをはじめとして、ワインが進んでしょうがないようなメニューだったが、晩ごはんの際はこれに麦茶を合わせた。なぜならこの日はポルガの塾があり、送迎をしなければならなかったからである。今日は私が送り迎えするから飲めば? とファルマンは言ってくれたが、少し雪の混じった雨が降るような気象条件では、任せられるはずもなかった。その代わり夕飯のときには全体の3割ほどしか食べず、迎えが終わってからきちんと食べ、飲んだ。ローストチキンはやわらかくておいしかった。
ケーキは、去年そこそこの値段を出したのに前年に比べて明らかに小さく、寂しい気持ちになったので、今年は手作りしようとあらかじめ考えていて、さらに言えば苺も高くて買いたくないので、チョコレートのスポンジとクリームにバナナという組み合わせにした。これはとてもよかった。この時期の苺の高さというのは、本当に常軌を逸している感があり、ケーキを作るにあたりスーパーの苺の値段に一喜一憂せずに済んだのは、すごく救われた。チョコとバナナのケーキは、もちろん間違いのない味で、材料の調達も、味わいも、とにかく気楽であった。ケーキなんてこんなんでいいんだなー、としみじみと思った。ちなみに、もちろんロウソクを立てて、火を点け、ハッピーバースデーを唄うわけでもない、クリスマス特有のグダグダな吹き消す儀式をしたのだが、その際に「今年は涼子がちょっと世間様をお騒がせしちゃって……」とキャンドル・ジュンのモノマネをするのも忘れなかった。われながら律義だと思う。
子どもたちへのプレゼントは、ポルガが最近はまっているという西洋史の文献、ピイガが電動やすりなどのハンドメイドグッズだったのだけど、中3と小6のクリスマスプレゼントというのは、なんかもう本当に立脚点があやふやというか、ピイガは夜、ポルガは朝、それぞれの寝ているとき部屋に袋を置くという、サンタクロースからのプレゼントが届いたよ的な形式はいちおう取るのだが、一方でプレゼント選びに関しては、数日前に思いっきりファルマンのアカウントで、子どもたちと一緒にamazonで選んでカートに入れたりしているわけで、じゃあもうオープンなのかな、と思って、届いた物品をそんなに隠さない感じで扱おうとしたらファルマンに少し窘められたりもして、なんかもうサンタクロースの存在およびその崩壊具合が、あまりにもまだらすぎて、戸惑うのだった。来年は中学生と高校生になるわけで、もうさすがに親からの手渡しでいいんじゃないのか、いっそamazonの段ボール直渡しでいいんじゃないか、とも思う。
プレゼントと言えば、年末恒例、自分への1年間おつかれさまプレゼントである。今年は特にこのひと月半ほどよく働いた感があるので、とびっきりのプレゼントを買っても罰は当たらないだろうという思いがある。そういう強い意欲のもと、なにを買ってやろうかと意気込んで、ここ2週間ほど熱心に考えているのだが、これがびっくりするくらい思い浮かばない。去年はさんざん悩んだ末、なにを思ったか老眼鏡を買ったのだった。あれは結局、買った直後しか使わなかった。実にもったいないことをした。老眼鏡自体は腐るものではないので持っておくに越したことはないが、1年間のご褒美にはなり得なかった。今年はあんな失敗をしたくない。でも本当に思いつかない。そろそろネットで注文したものは年内に届かない時期になってきた。参ったな。
まあそんな感じの、2025年の年の瀬を過している。今日で無事に仕事が納まり、明日からは待望の連休だ。嬉しい。夏のように大イベントもないので、存分に自分の時間を取り、せいぜい堪能しようと思っている。
それとひとつ、このブログを読んでくれている人に報告がある。
2018年から始まった「おこめとおふろ」、突然だが、今回が最終回である。7年間、35歳から42歳まで、パピロウの暮しのことを綴るために存在していたブログだったが、このたびその役割を終え、幕を閉じる運びとなった。ブログというのは、あるとき明確にその役割を終えるのだ。ブログって、そうなのだ。ブログってほら、例のあれと例のあれを、繰り返すものですからね。次の展開をお愉しみに!