オリンピックとおでん

 金曜日の夜はピョンチャンオリンピックの開会式を家族で眺めた。なんだかんだでオリンピックは、開会式くらい、こうしてきちんと家族で観て、そしてそのことを日記に書いておくと、あとから振り返ったときに「ああ懐かしい」ポイントが高いので、その目的のために記しておく。本当は日本の入場あたりで子どもはおしまいにしたかったのだが、ポルガが最後まで観ると言い張り、聖火が点灯した22時過ぎまで観続けた。付き合わされたピイガはつらそうだった。
 観た感想としては、イ・スンヨプが懐かしかった。あと最近のこういうのって映像をたくさん使うので、テレビを観ている分には、スタジアムの中継と映像がいいように差配されて届けられるからいいのだが、観客席で観ている人たちはVTRパートのときは一体どうしているんだろうと思った。東京ではもっと生身でやってほしい。ブラジルではサンバ、韓国ではブレイクダンスみたいのをしていたが、日本ではどんなことをやるんだろう。風の盆とかソーラン節とかがいいなあ。
 その翌日からは3連休ということでワクワク感があったが、初日からあいにくの雨で、仕方なく車で20分ほどの場所にある公共の屋内施設に遊びに行った。公共のそういう施設にありがちな、「遊びながら学ぼう」的な装置がたくさんあり、それなりに愉しめる。行くのは2度目。プラネタリウムもあり、プラネタリウムならばあんまり興味がないので観ないのだが、プラネタリウムのシアターを使っての全天周映画というのをやっていたので、観てみた。なんか恐竜の話だった。映像が前方だけでなくそのまま円形になっている天井のほうまで続くので、画面に入っているような迫力があった。椅子が動いたり3Dだったりするわけではないので、いまどきの豪奢なテーマパークに慣れているような人種ならば、ちゃんちゃらおかしい子供だましのレベルなのだろうが、慣れないので十分だった。十分すぎた。恐竜の視点そのまま、みたいなカメラワークの映像がけっこうあり、それが空を飛んだりもするので、地面が流れて浮遊する感覚に「ムリムリムリ!」となった。さいきん飛行機にすっかりご無沙汰なので、ちょっと喉元の熱さを忘れかけていたのだが、この映像によって飛行機の恐怖を想起し、「なんなら飛行機という移動手段もありだね」みたいなことを思ってしまう心をきつく諌めた。仮想体験としていい効果だった。
 午後は家でダラダラと過した。子どもがやっぱりうるさい。うるさいし物を散らかすし言うことを聞かない。夜には心底うんざりし、これが3連休の初日だなんてことがあるかよ、と軽く絶望した。
 今日は天気が回復したわりに、どこへも出掛けず、だいたいを家で過した。午前中に人生ゲームをする。3連休を迎える前からポルガに参加を乞われ過ぎていて、もはやする前から辟易としていたのだが、実際にやってみたらそれなりに愉しく、さすが人生ゲームだと思った。結果は、ポルガと僕で競ったが僕が勝ち、ファルマンピイガのチームだけが所持金マイナスでボロ負けした。
 それから子どもたちと自転車で近所のスーパーへ。前に自転車をこいだのはいつだろうか。秋くらいだろうか。風が冷たく、寒かった。早く公園に行ける気候になってくれれば、連休の過し方も算段がつきやすいのだけど、まだなかなか遠い。
 昼ごはんは焼きそば。これまで僕は蒸す際に水を入れ過ぎていて、麺がぬめっとなってしまう傾向があったのだけど、今回はそれをしっかりと自戒し、水を少なくしたら、麺にきちんと歯ごたえの残る、気概のある端正な仕上がりとなり、満足感があった。
 午後は、女性陣は雛飾りを出す作業をし、僕はピイガの通園グッズ作り。まずはウォーミングアップということで、作りやすいところとして、ランチョンマットを作る。ポルガの際は中表で縫って返す方式だったが、今回はパイピング仕立てにする。いい具合に仕上がった。非常にゆっくりとしたペースで(そもそもネーム作りにこれまで10日ほどかけていた)、今日の完成品はこれきりなのだが、いちど始めたらそこまで時間はかからないと思う。なんと入園まではまだ2ヶ月近くあるのだ。余裕である。むしろいまもう始めていることが僕としては奇蹟だ。
 晩ごはんはおでん。車でスーパーに行っていたらおでんにはならなかった気がするが、自転車で寒風に晒されたので、これはおでんっきゃないだろう、となった。おでんは、スーパーで小分けに売っている練り物のパックを、あれもこれもと買い過ぎてしまい、家でいざ調理してみて量におののくということが多々あるので、今回はとても自制した。それでも大鍋にたっぷり出来上がる。味は言わずもがなでおいしい。寄せ鍋とかは、本当は不要で、でも慣習で居座っているような存在がいたりするが、おでんにはそういうのが一切ない。全員いい。そこがすばらしいと思う。日本酒を飲み飲み、しあわせな気持ちになる。
 そして明日も休みか。持て余すな。どう過したものか。