ランドセルと父の日

 6月の第3日曜ということで、父の日だった。なにを隠そう僕は2児の父親である。とは言え別に期待とかはない。誕生日に関しては祝われたい欲が強いほうだが、それゆえか父の日というふわっとした記念日にまで熱は及ばないのだった。
 午前中に買い物に出た。ニトリで子どもの夏用まくらを買い、そのついでにピイガのランドセルを物色した。典型的なパターンのやつで、ひとり目のときに較べてランドセル選びへのパッションは著しく低くなっているのだが(ランドセルなんて機能的に結局どれも大差ない)、ぼちぼち購入を意識しはじめ、ランドセル売り場があるお店などではちょっと背負わせてみたりしている。たぶんニトリでは買わないだろうとは思うのだが、色がいろいろとあったので試させてもらった。その結果、やっぱりピンクか、あるいはキャメルあたりがいいのかなあと思った(たぶん本人がキャメルは許容しないだろう)。このときポルガも無意味にいくつも試していたが、そのうちのひとつ、濃紺のものを背負ったときに、僕もファルマンも「あっ……」となった。しっくり来過ぎていたのだ。ポルガはオーソドックスな赤いランドセルを使っていて、別にそれに違和感があるわけではなかったが、濃紺の嵌まり具合と言ったらなかった。いま3年生のポルガが異様に少年っぽいというのもあるかもしれない。3年前の夏に濃紺を選ぶ勇気はなかった。
 そのあとショッピングセンターへ移動する。ここでもランドセルを売っていたので物色した。ここにはニトリにはなかった白いランドセルがあり、ほほー、と思った。白いランドセルなんてこれまで考えたこともなかったけど、けっこう清新でいいものだった。しかしファルマンに「汚れるよ」と一蹴された。そうか。それはそうだろうな。ちょっと憧れるけど、6年だもんな。しかし実子の学用品選びの話のときに言うのもなんだが、白ランドセルって白スク水に似た幻想性がある。スク水がテーマの美少女ものでは、女の子の中のひとりは必ず白スク水なのだよな(そしてもちろんすぐ透ける)。
 帰宅後、午後は家でだらだらと過した。子どもがうるさかった。子どもってどうしてこんなにうるさいんだろう。うるさい音がもともと苦手というものあるが、子どもたちのうるささに晒されると、もうそこから先はなんにもできなくなる。どうすればいいんだろう。おやつに、昨日3人でプリンを作ったそうで、それをいただく。おいしい。子どもたちから手紙ももらう。手紙と言いつつ中編小説のような内容の冊子だった。すごい文章量だった。
 晩ごはんは鮭の炊き込みご飯、油揚げと玉子の煮物、長芋とたらこのサラダ。おいしかった。