ヒトカラ裁縫公園

 平日の休みを堪能する。またこのブログが休日日記の様相を呈している。「暮し」をテーマにしたブログは、どうしたってそうなる傾向がある。
 平日なので子どもたちは当然学校で、これまでだとファルマンはいて、仕事だったり仕事がなかったりして、ない場合はふたりで買い物に行ったりしていたわけだけど、ファルマンは目下教習所通いで、毎日3時間から、多い日では昼を挟んで5時間も教習を受けており、この日も5時間コースとのことで、つまり午後3時くらいまで完全にひとりでフリーという状態になった。それでいつもならサウナということになるのだが、今日は裁縫でしたいことがあったので止すことにして、10時の開店に合わせて手芸屋に行った。そして必要なものを買い込んだ。
 その帰りに、なんとなく気が向いて、ひとりでカラオケに行くことにした。実は珍しく連休で、翌日も休みだったため、心に余裕があった。そして翌日はファルマンの教習所が午前のみということで、ならばこんなにひとり自由なのは今日だけだ、これはヒトカラをする千載一遇のチャンスだ、と思ったのだった。というわけで生まれて初めてのヒトカラ体験をした。ヒトカラは、ファルマンから話で聞いていたけれど、休んだり選曲に悩んだりする時間がなくて、慌ただしかった。急な思いつきで来たため、今度カラオケに行ったら唄おうと思っていた数曲以外はその場で考えなければならず、結果としてその点に多少の忸怩たる思いを抱いた。今度またやることがあったら、ソロライブでもやるんか、というくらい本当に計画的に曲をセレクトしていこうと思った。唄ったのは、ちあきなおみの「喝采」に始まり、武田鉄矢の「少年期」や「雲がゆくのは」、フォーリーブス「ブルドッグ」、山口百恵「乙女座宮」、平井堅「君の好きなとこ」、Kiroro「未来へ」、チェッカーズ「ギザギザハートの子守歌」、桜田淳子「20才になれば」、中島みゆき「命の別名」など。またどうしても唄いたかった3曲として、最近はまっているカーペンターズの「Top of the world」、「Yesterday once more」、そして古田喜昭「パーマンはそこにいる」も唄った。前者のふたつは、やっぱり英語を流暢に唄うのは難しく、これはヒトカラで引き続き練習していかんとなあと、いつ家族以外の他人に披露する機会があるのか分からないが思った。後者のそれは、少し前に借りたFのアニメソングCDに収録されていたものを聴いて、サビの部分は知っていたけど、この歌ってこんなにいい歌だったのかと感動し、ぜひ唄おうと思っていたのだった。これは本当にいい歌。聴くたびにほれぼれする。唄ってももちろん気持ちよかった。ただし画面に表示される歌詞によって、自分が1ヶ所勘違いしていたことを知ってしまった。CDで聴くだけだから分からなかった。「実は欠陥スーパーマン」というのが正しい歌詞なのだが、僕はこれを「実は結果スーパーマン」だとずっと思っていた。スーがスーッと消えて、結果としてパーマンだから、「結果」だと思っていた。まさか「欠陥」とは。もっともこの表現はなかなか昭和的なんじゃないか、とも思う。現代はあまり、人格のあるものに対して欠陥という言い回しは使わないんじゃないかと思った。そんな初めてのヒトカラだった。1時間半で、500円程度。なるほどいいもんだな。
 そのあとは帰宅して、ファルマンの教習が終わるまでの時間で、裁縫。母の知り合いに依頼された合唱用マスクを作る。母に10枚ほど作って送ったものを、母が周囲に配ったおかげで、追加の注文が来たのだった。しかし布マスクも、合唱団も、ワクチンも、緊急事態宣言も、東京オリンピックも、なんだかもういろいろ混沌としているな、としみじみ思う。
 終わりの時間めがけて教習所まで迎えに行き、帰宅後はまた次の裁縫作業。やがて子どもたちも帰ってきた。裁縫をしつつ、晩ごはんの支度をする。晩ごはんは、前日に子どもたちにリクエストを訊ね、するとピイガはいつも「うどん!」と答えるので、「晩ごはんにうどんはちょっと……」となるのだけど、雨で少し肌寒かったので、今日は本当に肉たっぷりのうどんを作り、あと炊き込みごはんや、出来合いのごぼうサラダなどで献立とした。おいしかった。
 翌日の今日は、ファルマンが昼に帰ってくるので、遊びに出たりせず、粛々と裁縫に没頭した。おかげでまあまあ進む。これは近日中に「nw」にアップできるだろうと思う。
 夕方に子どもたちが帰ってきたところで、みんなで公園に行った。最近は土日に子どもたちと遊べず、微妙に後ろめたさがあるので、こうして子どもたちが疲れても問題ない金曜日の夕方に積極的に連れ出すようにしている。週末は(あくまで島根レベルで)賑わう大きな公園なのだが、平日の夕方は貸し切り状態で、遊びやすかった。このご時世における公園の貸し切りのなにがいいって、マスクが外せることだ。僕も気合を入れてトレーニングウエアに着替えて行ったので、子らとともにアスレチックを愉しんだ。ジャングルジムに登ったり、縄でネットになっている斜面を移動したりして、まだまだ体は快活に動くな、と確認した。
 帰宅して、晩ごはんは手羽中の唐揚げ。昨日から調味料に漬け込んでおいたため、味はしっかり浸みているし、調理も簡単で、実に計画的なのだった。片栗粉をたくさんまぶし、好みのゴリゴリとした具合に仕上げる。やっぱりひと晩漬け込むと格別においしい。家族から大好評を得たので気分がよかった。