年月 おもひでぶぉろろぉぉん・2

 母が誕生日ということで、電話で祝意を述べた。つい忘れがちな親の年齢だが、母とピイガはちょうど60年(十干十二支で言うとふたりとも甲午となる)離れている、という便利な手掛かりによって、とても覚えやすくなった。そんなわけで母は69歳である。いいなあ、69歳。憧れの69歳。自分が69歳になったとき、69という数字を無邪気に喜べる69歳であればいいと思う。
 そして同時に、cozy rippleが19周年を迎える。このふたつの事柄が同日であるということに思いを馳せるたびに、20歳の俺は母の50歳の誕生日の日、家には帰らず、ファルマンのアパートに泊まり込んでホームページを作っていたんだなあ、ということを思う。だからなんだ、という話なのだけど。その頃は姉ももういなく、祖母もまだ横浜には来ておらず、ふたり暮しだったので、家にいたところで特になにもしなかったに違いないけれど。
 19周年で特別になにか企画があるわけではないが、先日からあちこちのブログで宣言している通り、1年後の20周年に向けて過去の日記の読み返し作業、その名も「おもひでぶぉろろぉぉん」を始めている。というわけで最近は21歳当時の自分の日記を読んでいて、面映ゆかったり、愛しかったり、憎らしかったり、いろいろと感情を揺さぶられている。
 その「おもひでぶぉろろぉぉん」だが、日記を読み返しての雑感をこうして綴ったり、世相も絡めた自分史を作成したりという、当座のプランはあるものの、最終的にどういうゴールを迎えるつもりなのかは、実はまだあまり定まっていない。ひとつ構想していることはあって、とりあえずはそれを念頭に入れつつ、粛々と作業をしていこうと考えている。
 そしてその読み返し作業をしていくにあたり、ちょっとでも心の琴線に触れた部分、すなわち当世の言葉で言うと「いいね」と感じた部分を、せっかくだから選り抜いて集積していくことにした。『おもひでぶぉろろぉぉん特設サイト ~フレーズで振り返る20年の歩み~』というのがその選り抜きの集積場の名前で、ここに本当にハードル低く、「いいね」ボタンを押すほどの感覚で、過去の記事からコピーした文節を置いてゆく。ここには当時の記事タイトルも、どのブログに書いたものなのかも、明記しない。ただ綴った文章を淡々と置いてゆく。タイトルは日付。カテゴリは記事公開時の僕の年齢。付す情報はそれのみ。まだ4ヶ月分ほどしかできていないが、溜まっていけば、なんかしらの効果は発生してくるのではないか。淡々とした流れが、やがて怒涛になるのではないかと期待している。