8月から9月へと

 怒濤の8月が終わった。
 暑くて、パリ五輪で(これは実はほとんど印象にない)、南海トラフ地震注意で、横浜への自家用車帰省で、大社高校フィーバーで、風邪で、そして台風10号。なんかそんな、わりと盛りだくさんの8月であった。
 ずいぶん久しぶりの風邪は、咳や痰がしつこく長引いたが、ここ2日あたりでようやくほぼ完治したのではないかと思う。8月最終日で土曜日だった昨日は、去りゆく8月への挽歌として、午後からプールへと繰り出した。新しく半年会員となった8月だったが、これまで行って水の中に浸るたびに、「体おもっ!」と、水泳という運動への向かなさを痛感していたわけだけど(もちろん水泳に限らないが)、労働後ではない、さらには翌日も休みであるという、末日にしてようやく巡ってきた万全の態勢に、途中襲ってきた、800くらいで手を打っておこうかという悪魔の囁きを強い精神力で振り払い、なんとか1キロを泳ぎ切った。達成感もあって、気持ちがよかった。おかげで8月もいい顔で逝ったと思う。
 これはあくまで中国地方の話になるが、この昼過ぎまでまだぐずついていた空模様は、プールから出たあとの夕方あたりから、完全に台風一過の様相となった。今回の台風10号は、冒頭にも書いたように、このクドいまでに要素が多かった8月の掉尾を飾るのにふさわしい、もはや変態的なアクションで、日本全体を翻弄した。ここまで日本人の誰にとっても他人事でない動きをする台風は珍しいに違いない。その中にあって、中国地方の、それも山陰側というのは、どちらかと言えば被害が軽微だったほうなのだろう。最初に上陸した九州はもちろんだが、東海方面がひどいようで、今月まさに縁を持った、津であるとか、豊川であるとか、あのあたりもだいぶ激しかったようだ。南海トラフ地震注意に怯えながら彼の地を渡ったのは、わずか半月前のことだ。あのときも台風7号から若干の睨みを受けたけれど、もしもあのときに今回のような台風が来ていたらと思うとゾッとする。さすがに心が折れていたろうと思う。日本って過酷な環境だな。
 子どもたちの夏休みは数日前、8月最終週の半ばに終わったのだけれど、金曜日は台風のために休校となり、早々の3連休となった。しかしもはや休みに慣れ切った子どもたちには、3連休なんぞわざわざ喜ぶ対象には足り得ない様子である。驕っているな。ちなみに今回、始業式における校長の話で、「120%大社高校の話がなされる」という予想を打ち立てていたのだが、ポルガの通う中学校では的中したものの、ピイガの小学校の校長は一切しなかったそうで、ずいぶんひねくれてるな、と思った。けっこう改革派の人らしいので、こんなときも逆張りしてくるようである。
 台風を経て、月も代わり、季節はひとつ先へ進むのかと思いきや、なんのことはない、台風一過にかこつけて、このあと夏の陽気はしばらく続くようである。やはり20日までは耐えるしかないのか。
 9月が始まり、今日は車検に行ってきた。軽のほう。2年前に頼んだ所にあまりいい印象を持たなかったので、別の所に行ったら、こちらはずいぶんよかった。きれいだったし、人の感じもよかったし、なにより安く済んだ。車検が安く済むというのは、あまり積極的にあれもこれも治療をしようとはしない歯医者みたいなもので、実際にいいことなのかどうなのかは判らないが、少なくとも目先の家計的にはもちろんいい。ここでガクンとテンションが下がるんだろうなあと予期していた車検が意外とリーズナブルに終わったので、得をした気持ちになった。悪くない幕開け。なんてったって誕生月だ。なるべく気分よく過したい。
 誕生日プレゼントでなにをもらうか、考え始めているが、案が浮かばない。欲しいものが思い浮かばないということは、満ち足りていることか。ちがう、となんとなく否定したい気持ちはあるが、まあ実のところ、案外そうなんだろうとも思う。今年も生地になるのかな。