ピイガの1月4日というのは、なにも、ただでさえわちゃわちゃしている正月の、こんなタイミングじゃなくてもいいだろ、という気持ちにさせられるのだけど、ポルガのこの1月22日というのもまた、大寒だし、日が短いし、このあたりの時期は土曜日の休みが少ないしということで、どうもスカッと祝いづらいのだった。そんなの出産の、ひいてはお前の行為に拠るものなのだからしょうがないだろ、と言われればそれまでではあるのだけど。
お祝いの日の晩ごはんのメニューや、ケーキの趣向について、事前にポルガに希望を訊ねたところ、「回転ずしがいい。持ち帰りじゃなく、お店で食べたい」という答えが返ってきたので、作らなくていいし案外いい手かもしれないと思い、受諾した。さらには「じゃあケーキも回転ずしのデザートのやつでいいんじゃないか。食べたいだけ食べていいから」と提案したところ、ポルガもそれを魅力に感じたようだったので、とても簡潔に丸く収まったのだった。
というわけで土曜日の夜、くら寿司に行った。ポルガがリクエストするだけあって、お店で食べるのはとても久しぶりで、鮨がレーンを回っているさまを、本当に久々に目にした気がした。店内は混んでいたが、予約をしていたのでわりとスムーズに席につけた。鮨は安定のおいしさだった。ビッくらポンはいちども当たらなかったが、やっぱり外食は外食で愉しいものだな、と思った。鮨のあと、子どもたちはケーキを食べていた。ポルガはふたつ頼み、嬉しそうだった。ちなみにくら寿司は、まさに誕生日のお祝いを対象にした、ホールケーキが装飾とともにレーンを流れてくるサービスを少し前から始めているようだが、残念ながら島根県の店舗にはまだ未上陸なのだった。ポルガは「来年もこれでいい」と言っていたので、来年には利用できればいいと思う(けっこう恥ずかしそうだけど)。
お祝いはこれで無事に完了のはずだったのだが、個人的になんとなく物足りなさを覚えたので、翌日、日曜日の昼食を、しれっとホットケーキにした。チョコペンも用意し、ポルガのものにだけメッセージも書いた。「ポルガ おめでとう 14」と書くつもりだったが、「『ポルガ 天才』にして」というリクエストを受けたので、そう書いた。ホイップクリーム、はちみつ、アイス、さらにはさつまいもを甘く煮たものや、あんこにきなこなども乗せて、背徳的な味を愉しんだ。
さらには晩ごはんは、なんだかんだでたこ焼きにした。ポルガの誕生日祝いの日の夕餉はたこ焼きというルーティンに、実は本人なんかよりも僕のほうがよほど拘泥しているのかもしれない。わりと久しぶりだったたこ焼きは、やはりおいしかった。焼きながら、食べながら、マリオパーティーをした。とても愉しかった。
回転ずしだの、マリオパーティーだの、実につましく、まっとうな、一般家庭の生活の営みだなあとわれながら思う。最近、2008年の、まだ子どもがいない新婚時代の日記を読んでいるのだが、当時はふたりで1日にジブリ映画を3本観たりとかしていて、びっくりする。ベタなことを言うが、第一子が14歳ということは、われわれが親というものになって14年が経ったということである。14年。ずいぶんなもんだ。なるほど年を取るわけだ。あのパピロウが、めちゃくちゃベタなことを言うもんだ。これも加齢によるものか。