すしプリそば

 年末年始用の本を借りに、図書館へと繰り出した。毎年のことながら、年末年始にそんなに本を読むのかよ、という話なのだが、それでも借りずにはおれないのだった。帰省の際の新幹線でも、子どもと一緒ではろくに読めないだろう。
 ところで新幹線で読書と言えば、今年はもうちょっと頻発する予定だった出張が、下半期はほとんど立ち消えになってしまったのだった。移動時間の長さから、読書だけでは心許なくさえあり、プライムビデオ目的にアマゾンのプライム会員にさえなったのに、なってからいちども出張に出ていないため、配送料無料のほうでしか活用できていない。いったい僕はいつになったら「64」を観られるのだろう。まさか帰省の新幹線では観られまい。両親のタブレットというタブレットは、子どもたちに占領され続けるに違いないのだった。
 図書館のあとは、ニトリで買い物をしたり、回転ずし店で昼ごはんをしたりする。もっとも毎度のことだが、店内ではほぼ食べない。朝ごはんをそれほどしっかり食べていなかったので、お腹は空いているのだが、すしを口に入れるたびに、ビールなり日本酒なりのアルコールが追いかけてこない寂しさばかりが募るので、子どもたちが食べている横で、座席に用意されている折り詰めのパックに、工場のそういう係の人かのように、せっせとすしを詰める作業に邁進する。そしてあん肝をはじめとした、僕好みの、魚臭の強いパックが完成し、うきうきした気持ちで店を後にした。
 帰宅後は、ゲオで借りたプリキュアの映画を娘たちと観ながら、すしと熱燗でのんびりと過す。いい午後だ。しかし冬で油断していて、朝からあまり水分を摂っていなかったため、日本酒がかなり効いた。プリキュアが最後の決め台詞として、「友達になるのって難しいことだけど……」みたいなことを言い出したので、「おっ」と身を乗り出し、そのあとなんと言うのか期待したところ、「仲間を信じれば絶対にできるよ!」的なことを言ったので、憤りの気持ちが湧いた。「フットサルを趣味にして友達をたくさん作るためには、友達からフットサルに誘われなければならない」とおなじ、ゼロの人間のことは完全に頭にない人たちの論法のやつだ、と思った。
 晩ごはんは温かいそばとだし巻き卵。相変わらず週末は麺なのである。温かいそばって、やっぱワイは西の人間やから、あんまりようせえへんのやけど、やってみると意外と旨いねんやな。ツユの中から、うどんが出てくるような気持ちで、細いそばが出てくると、ほお、という新鮮さがある。しかし4時過ぎくらいまでゆっくりとすしを食べていたので、そばも食べたらお腹がパンパンになってしまった。
 そんな食いしん坊な休日だった。今年は残り半月。録画の消化が追いついていないので観られないが、今日で「西郷どん」は最終回らしい。年末だなあ。