ファミレスから公園まで

 義父母の誘いを受け、1月に亡くなった義祖母の墓参りと、ホームで暮す義祖父への顔見せに出向いた。県内なので、当地へは車で30分ほどで着く。昼前に家を出て、ファミレスで落ち合った。本来この行事は3月に行なわれる予定で、と言うか実際に行なわれたのだけど、我が家はポルガの体調崩壊により参加できず、僕は奢られファミレスをみすみす逃したことについて忸怩たる気持ちを抱いていたのだった。だから満を持しての奢られファミレスで、頼みたいメニューを頼んで堪能した。肉が美味しかった。
 美味しい肉を食べさせてもらったあとは、粛々と用件をこなす。それは粛々とだ。義母にとっては親だろう。義父にとっては40年余りの義理の親子関係があるだろう。ファルマンにとっては祖父母だろう。娘らにとっては曽祖父母だろう。だからこのメンバーの中で、どうしたって僕の繋がりだけが極めて薄い。実際、義祖父への顔見せはこれまでも義母がこちらにやってきたとき何度かしているが、そのとき僕はあくまで運転手で、ホームの駐車場に車を停めて、面会中はその中で待っていた。しかし今回は義父がいて、義父というのは全員行動を徹底したがるタイプの人なので、「俺は車で待ってます」と言ったら「いや、来たらいい」みたいなくだりが繰り広げられることは目に見えていたので(経験値を積んできたので分かる)、自主的に車を降りて、初めてホームの中へも足を踏み入れた。踏み入れて面会した結果、孫であるファルマンや、ファルマンの産んだ小さな娘たちというのはすんなり受け止めていたが、やっぱり僕の存在は義祖父の頭を少し混乱させた感じがあり、なんだったんだろうな、という気がした。まあいいんだけど。そのあとは義祖母の墓参り。高台にあり、空気の清廉な場所だった。義母の実家はカトリックで、葬式のときから仏教とキリスト教の混在が甚だしかったが、お墓も、寺の中にあり、直方体のよくあるタイプの墓ながら、苗字の上には十字架が記されているという、馴れ合っているのか我を張り合っているのかよく判らないマーブル模様だった。「が、合掌でいいんですか?」と義母に確認してから手を合わせた。
 そのあとは近くの大型公園へも立ち寄る。ここはファルマンたちが子どもの頃、祖父母の家に遊びに来た際によく行っていた公園だという。メインの遊具は明らかに刷新された風のものだったが、ところどころに昔から変らないものも残っていたらしい。子どもたちはもちろん飛び跳ねて遊んだ。3時頃まで過し、義父母とはここで解散。次に会うのは夏の帰省、ということはこの人たちの場合たぶんないだろうな。なんかかんか来るから(特に義母)。
 そのあとは大きい100円ショップや図書館に寄って帰った。午前中に家を出て、帰ってきたのは夕方。わりと1日がかりの外出だった。風が強かったが、陽射しがなくてよかった。オオキンケイギクがあちこちで咲きまくっていて嬉しい。