カラオケ日記 ~スタンドマイクデビュー~

 関東に台風直撃の3連休。岡山への影響は、少し不穏な風が吹く程度で、ほとんどないのだった。とは言え屋外で遊べるほどではなかったので、ちょうど機運が高まっていたこともあり、カラオケへと出向いた。
 機運が高まっていたというのは、今回カラオケ用の新アイテムを購入したからだ。なにかと言うと、ずばりマイクスタンドである。これまでカラオケの際、マイクを持つ手がなんとなく決まらず、唄いながら入れ替えたり、戻したり、ふわふわしていた。それに振付のある歌を唄うときには、片手が塞がっているのがどうしても不自由だった。そんなわけで、いよいよマイクスタンドを買ったのだった。思っていたより安かった。というわけで今日のカラオケではそれを持ち込んで臨んだ。
 唄ったのは以下の通りである。
 1曲目、MAX「Ride on time」。やっぱり1曲目は僕がファンをするところのMAXだろう。しかし前回の「GET MY LOVE!」に引き続き、熱心なファンとはとても思えない浅い選曲。でもMAXだから。MAXのファンというのが、その時点でかなりギリギリのギャグなのだから、それで選曲をマニアックなものにしたらやり過ぎだと思う。だから当時やけに垂れ流されて、サビだけ知っているこのあたりの曲が正しい。それにしても唄ってみたらぜんぜんサビしか知らなくて戸惑った。ファンなのにね。
 2曲目、麻倉未稀「ヒーロー」。今回の時事歌唱はどんなものがあるか、かなり考えた末、ようやく思いついたのがこれだった(コブクロのモノマネで君が代を唄う案もあったが、裏声が無理で諦めた)。目下ワールドカップで盛り上がるラグビーにあやかった。もっともスクールウォーズの放送は1984年ということで、よく知らない。上の世代の人たちはやけにスクールウォーズのことが好きだよね、と思う。
 3曲目、中島みゆき「命の別名」。有線で流れているのを聴いて、唄いたくなった。スタンドマイクで、夜会っぽく唄った。
 4曲目、天童よしみ「人生讃歌~渡る世間は鬼ばかり~」。これも時事歌唱と言えば時事歌唱か。先月のスペシャルでもエンディングで流れ、それから絶対に唄おうと思っていた。歌詞は後付けで、歌詞が付くことは想定されずに作られた曲なんだろうが、ずいぶんいい具合に仕上がっている。CDが欲しいくらいだ。間奏中にえなりかずきのモノマネで、「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」と、泉ピン子との共演を拒んでおいた。蕁麻疹が出るんならしょうがない。
 5曲目、SPEED「My Graduation」。なんとなく僕の中で、スタンドマイクと言えばこの曲、というイメージがあり、唄った。ちょうどカラオケ映像がプロモで、4人が十字に向かい合うあのスタンドマイクのシーンが映った。この曲が出たとき、ちょうど中3くらいだったので、けっこう印象が強い。もっとも当時は断然モーニング娘。派だったけど。
 6曲目、小林明子「恋に落ちて-Fall in love-」。これも有線でよく流れる。2番が丸々英語の歌詞みたいになっていて、うまく唄えるだろうかと不安だったが、もちろんうまく唄えなかった。
 7曲目、PUFFY「渚にまつわるエトセトラ」。これもスタンドマイクありきの選曲。あのジャブみたいな振付を大いにやった。
 8曲目、高橋真梨子「for you」。系統は違うが、これもスタンドマイクを意識している。体の前で手のひらを重ね、マイクに向かって囁くように唄う印象があり、そのように唄った。サビが気持ちよかった。
 9曲目、中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」。これは中森明菜を唄っておこうという、歌手先行の選曲。今日ふたつ目の井上陽水である。
 10曲目、川本真琴「1/2」。これも川本真琴を唄っておこうという理由。
 11曲目、ザ・ドリフターズ「ドリフのズンドコ節」。やっぱりスタンドマイクと言ったらドリフも外せないだろう、ということで唄う。大いによかった。本当はドリフ大爆笑のオープニングテーマがよかったのだが、入っていなかった。
 以上である。ちなみにスタンドマイクを低くして「ff (フォルティシモ)」を唄う、というのも一瞬考えたのだが、曲をあまり知らないのであきらめた。これは次回だな。ミュージック、スターティン。
 というわけで、スタンドマイクがとてもよかったカラオケだった。これまで片手でマイクを持ってふわふわしていたのが、1ヶ所にきちんと立脚して唄うことができるようになり、安定感が出た。ファルマンも「唄いやすい」と喜んでいたし、子どもがスタンドマイクで唄う姿は、ちびっ子のど自慢のようで微笑ましかった。実にいい買い物をした。終えたあとは車に乗せ、家に着いて荷物を降ろすとき、どうせ次にカラオケに行くときにしか使わないんだから車から降ろす必要ないよね、ということになり、車に乗せっ放しになった。つまり僕は車にいつでもマイクスタンドを積み込んでいる人間になった。そんな人間、めっちゃ愉快やん。一緒にカラオケ行ったらめっちゃ愉しいやん。家族以外の人間とカラオケに行った経験はそこまで多くないが、カラオケに自前のマイクスタンドを持ち込む人間というものはもちろん見たことがない。誰か僕をカラオケに誘えばいいのに。