2019-2020帰省2、3、4日目

 初日と最終日がレジャーなので、実はあとの3日間には一切の予定を入れなかった。とは言え3日は長い。どこかへ行くべきじゃないのか、とも思ったが、やはり体力と気力が追いつかなかった。子どもたちは、いとこさえいればどこでなにをしようが構わない様子で、姉一家も特に外出の予定はないようなので、結果的にはこの3日間は本当に実家の周辺でのんべんだらりと過した。
 30日の午前は、近所の公園に繰り出して遊んだ。姪らがバスケットボールを持ってきたので、久しぶりにレイアップをしたりした。レイアップのあの独特の動きを、体が覚えていておもしろかった。シュートが意外なほど決まらなくてびっくりした。
 午後はブックオフにファルマンとふたりで行って、書籍に関してはそこまでめぼしい収穫はなかったのだけど(正月のウルトラセール前に買う意欲が湧かないというのもある)、その代わりに、この1年の中でも特出していい買い物をする。wii用のソフト、「スーパーマリオブラザーズ」である。実家には母がビンゴ大会で当てたという「wii Fit」の一式があり、というかそれしかなく、この数年ずっと、子どもたちがそれでジョギングしたりパレードをしたりするのを眺めていたのだが、このたびそれにとうとううんざりして、どうせ子どもたちが貪るようにゲームをするなら、なにか別の画面が観たいと希うようになっていた。というわけで棚を眺め、結果「これっきゃない」と、とてもベタなものを選んだ。500円。帰宅して起動してみたら、余計な要素がぜんぜんない、ファミコンの「3」を彷彿とさせる、つまり最高におもしろいマリオのアクションのやつで、感動しながら、子どもに混ざってプレイした。そうそう、こういうのだよ。これがゲームだよ。なんでこの数年間、wii Fitの画面を延々と眺めていたのか。このソフトの出現によって、今後の実家での時間の過ごし方はだいぶ改善された。大人を含めて下手くそばかりなので、3日かけて2面さえクリアできなかった。これは当分愉しめそうだ。
 それから31日は、昨日子どもたち4人を実家で我々が引き受けた代わりに、今度は姉夫婦が見てくれるということで身軽になり、近所のスーパー銭湯に行くことにした。今年目覚めたサウナ道の、1年最後の締めにしようと臨んだのだった。しかしながら入ってみると、もちろん大型連休中、それも大晦日の日中といういかにも人が時間を持て余すタイミングということもあるのだろうが、それにしたって僕がこれまで行った岡山や島根のそれとは比べ物にならない人口密度の高さで、裸ということもあり、こちらの世界のパーソナルスペースの小ささに慣れない人間にはだいぶ厳しいものがあった。サウナはなんとか入れ、水風呂もひとりひとりの滞在時間が短いので入れたが、そのあとの休憩をする場所がない。そんな有様で、ぜんぜんリラックスできなかった。ここは収容所の類か、と思った。結局そこまで堪能できないまま、早めに退却した。やっぱりおろち湯ったり館のものだな、と改めて思った。温泉だし、プールあるし、人が少ないし、安い。唯一の欠点といえば島根県にあるというところくらい。ああ早くまた行きたい。
 大晦日の夜は、ポルガはそのまま姉一家の所に泊まることとなり、ピイガだけ回収し、紅白を観て普通に過した。レコ大もそうだったが、今年はなんといっても氷川きよしがよかった。氷川きよしが本当の自分をさらけ出してしあわせそうなの、見ていて本当にほっこりする。しかも唄う曲は「限界突破」で「大丈夫」と来た。いいなあ、素晴らしいなあ、と満ち足りた気持ちになった。
 明けて元日はまた姉一家がこちらへやってきて、途中で近所の神社まで初詣に行った以外は、家でのんびりと過した。この年末年始は本当に実家でダラダラした。まあ平和でいいと思う。もうちょっとしたら、子どもがアンテナを張るようになり、都会のあちこちへ連れていけとせがんでくるようになったりするのだろうか。
 翌日は最終日で、新幹線に乗る前に科博行きなので、わりと早く寝た。この夜の初夢は、あまりよく覚えていないが、手羽中の唐揚げを食べていたのは覚えている。どういう夢だろう。特に最近食べたということもないし。せっかくなのであの手羽中は鷹の肉だったということにして、縁起がいいということにしようと思う。