交際20周年線状降水帯

 7月8日はファルマンとの交際開始の記念日で、それも今年はその20周年なのだった。20年。19歳の頃から、20年。すごい年月だな、とももちろん思うが、最近はおもひでぶぉろろぉぉんで、17年前くらいの出来事を頻繁に振り返っているので、そういう意味では慣れている。僕の「歳月の経過感じ孔」は、たくさん使用されているため、ぎちぎちとした締めつけは望むべくもないが、その代わりにちょうどよくこなれているとも言える。どちらにもどちらもの良さがある。
 そんな日にちょうど労働は休みで、ファルマンも仕事を抱えておらず、さらにはポルガの部活をはじめとして、子どもたちにも予定がないという、絶好のお出掛け条件が揃い、さてどうしたものかと数日前から思案し、なにかイベントはないものかと探したのだが、夏本番には少し早いタイミングで、絶妙になんの催しも見つからない。かと言って公園など屋外レジャーをするにはもう暑すぎるということで、本当にあぐねていた。結局これだというものが見出せず、とりあえずドライブ感覚で松江に行って、それでイオンとかに行こうかねえ、などと、冷静に考えれば決行しても絶対にいい結果にはならなそうな地点に着地しそうになっていたが、そもそも大義がない、そんなふわっとした計画は、ヤフーの見出しに「島根に……」と名指しで注意を呼びかけられた線状降水帯の発生によって、風の前の塵のごとく吹き飛んだ。明け方など、途轍もない豪雨と雷鳴で、お出掛けなどとんでもない、今日家族の誰にも予定がなかったことがなんたる幸いか、としみじみと思った。
 というわけで、雨が小康状態だった午前中に、近場の店で買い物をし、その帰りにケーキ屋でロールケーキを買い、帰った。本日の外出はこれのみ。まあこれでよかったと思う。天候関係なく、本当に松江に行っててもな。
 午後、せっかくだからということで、久しぶりに4人でマリオカートをする。そしておやつにロールケーキを食べた。まあ結婚でもない、交際開始という、大事と言えば大事だけど、かと言ってなあ、みたいな記念日は、このくらいの扱いでちょうどいいかもしれない。大学2年生のあの日から、20年経って、さまざまな事柄が巡り巡って、こうなったか。感慨深いなあ、とも思うが、しかしやはり僕の「歳月の経過感じ孔」は、ちょっと刺激過多なので、反応が鈍くなっているとも思う。
 午後のそれ以外の時間は、近ごろインスタグラムへの投稿を再開したので、まだまだ画像のストックは十分あるが、それでもインスタ活動が停滞していた日々でずいぶん溜まっていた、作製したけど撮影していないショーツの、撮影を行なった。久しぶりにジョニファーにいろいろ穿き替えさせた。ジョニファーは、腰回りが僕よりもひと回り大きいほど、普通に成人男性の大きさなので、何十枚もショーツを穿き替えさせるのは、意外と重労働である。外では再び雨が激しくなっていた。交際開始20周年の日に、線状降水帯が直撃し、そして成人男性のマネキンに何十枚も手作りショーツを穿き替えさせているという、この未来。人生は予測不可能だ。
 ちなみに1年前の交際開始記念日はどんな感じだったっけ、と振り返ったら、元総理が狙撃されていて、「あっ……」となった。それと、期せずしてジョニファー・ロビンは、去年の7月7日に初お目見えしていて、登場1周年なのだった。まだそんなか。もっと長く一緒に生きてきた気がしていた。
 晩ごはんは、煮豚や、フライドポテトや、とうもろこしや、冷奴、納豆オムレツなど、居酒屋のような感じに仕立てる。先週の土曜も同じような感じだった。とうもろこしがおいしい季節だ。先週は塩を振ってレンジに掛けただけのものだったが、今週はバリエーションとして、しょうゆで味を付けて焼いた。こちらもよかった。
 この嵐が過ぎれば、そろそろ梅雨も明ける気配だ。日本の夏は蒸し暑いというけれど、その蒸し暑さも、梅雨の湿気の比ではないだろう。とにかくこのジトっとした感じが、軽くなってほしいと思う。