俺の今年の夏休みは輝かしい最高のものになる

 今日から夏休みに入る。めでたい。
 しかし不安なことがひとつだけあって、先日三女とも話したが、予定がないのだ。わりと本当になにもない。去年はどうだったんだっけ、と1年前の日記を振り返ったら、やはりジタバタしつつも、大したことはしていないようだった。夏休みって、得てしてそういうものかもしれない。なんてったって暑いだろう。冷房を効かせた車移動でも、結局陽射しで疲弊する。そもそも車に乗ってどこへ行くというのか。屋外レジャーのすべては選択肢から除外されるので、そうなるともう田舎暮しは手足をもがれたようなものだ。
 ならばいっそ夏休みというのは、帰省という、億劫だが定期的にやらなければならない行事をこなす期間として捉え、命を削るくらい疲れるのを覚悟して、それをするのが正解なんじゃないか、という気がしなくもないのだが、今年に関してはそれを予定していなかったことがとても幸いだった。なんだあの、台風7号の進路というものは。お盆期間の東海道新幹線は、そして空路は、いったいどういうことになるのか。本当に帰省を計画していなくてよかった。
 1年前の日記の話に戻るが、大したことはしていないと言いつつ、インスタグラムを始めていたのはこの時期だった。すなわち、ジョニファーロビンを召喚し、スマホを購い、作り溜めたショーツを穿かせて撮影し、インスタグラムに投稿するという、たしかにそれはきちんとした分量の休みじゃないとやり始める気にならないかもな、ということをやっていた。ちょっとうらやましい。なんかそういうのないかな。
 一応、新しい水着を作りたいと思い、この夏休みに間に合うよう生地を注文するということをしていた。しかし何枚か買ったうちの1枚だが、火曜日に届いたそれを、火曜日の夜に裁断し、水曜日の夜に仕上げてしまっていて、水着ももうなんだかんだで20枚くらい作っているので当然と言えば当然だが、手際が良くなりすぎていて、もはや僕にとってそれは、まとまった休みだからできることでは全然なくなってしまっているのだった。誰かもっと俺を愉しませてくれる手応えのある奴はおらんのかと、強くなり過ぎた哀しい戦士のような気持ちだが、じゃあ普段作っていないような複雑なものを作ればいいじゃないかと言われると、やはりどうしたって股間周り以外のものを作る気にはならないのだった。どうしてちんこ関連の裁縫はこんなにも愉しいんだろうな。ちんこだからだろうな。
 そんな具合の、グダグダになりそうな気配が濃厚な夏休みなのだが、そのわりに期待感や焦燥感は強いようで(ここに哀しみが生まれる)、初日にして早く目が覚めてしまい(まだ体が平日のリズムというのもある)、ひとりリビングにノートパソコンを持ち出し、薄暗い中でこうして開始宣言を書いた。しかし15分ほど前からピイガが起きてきて、Eテレを流し始めたので、もう書けない。なるべく愉しく過そうと思います。