師走半ば

 師走の半ばの週末である。来週末はクリスマスで、来々週末は大みそかであるという、なんかそういう週末だ。慌ただしいような、特段するべきこともないような。帰省をしないことにしたのでその準備もなく、むしろ半月後にはまとまった休暇があるのだと思うと、わりと心に余裕があるとも言える。
 先週、子どもたちの体調不良によってままならなかった年賀状用の写真撮影というミッションがあって、今週は子どもたちのコンディションに関しては問題なかったのだけれど、今度は天候があまりにも悪く、急にやってきた寒波によって激しい風雪となり(金曜日は20℃越えだったのに!)、とても外に行って、年賀状にふさわしいような明るい写真が撮れるような条件ではなかった。やはり大いなる意思の介在を感じずにはおれない。とは言えさすがに今週末がタイムリミットだろうということで、仕方なく室内で撮影を行ない、背景を透過処理して嵌め込みでなんとかすることにした。まあこんな年もある。
 斯様にとても寒くなったというのに、ポルガがきちんと暖かい恰好をしないので、両親でやきもきしている。中学生らしく、ノートにいろいろ書いたり描いたりしているようで、そしてそれは家族には見られたくないようで、だからリビングのこたつではなく、寒々しい自室のデスクでやるわけだが、そうなるともっと厚着をしろとか、電気ひざ掛けを持っていけとか、こちらとしてはどうしたっていろいろ言わざるを得ないのに、なんにも言うことを聞かない。「寒くない」と言う。ティーンというのは血流が漲っているので、たしかに中年よりは寒くないのかもしれないが、それにしたってやっぱり寒いものは寒いだろうと思い、せめて靴下くらい履けと言ったところ、「靴下は血が止まるからむしろ寒くなる」などと言って拒まれた。締め付けで血流が悪くなるって、お前それ、俺の裸で寝る健康法のことは白い目で見るくせに、言ってることとやってることが違うじゃねえか、と思った。思春期めんどくさ!
 白い目で見られると言えば父がひたすら自分のために作るオリジナルショーツだが、その整理を、大掃除というわけではないが、行なった。これまで、作ったものは基本的に、洗濯に出していない限りはいつでも穿けるような状態にしていたが、さすがに枚数が増え、飽和し、部屋にショーツが散乱するようになっていたので(なにぶん女子用としか思えないようなショーツなので、その情景はそれはそれでよかったのだが)、ちょっとシビアな話になってしまうけれど、レギュラーから外れてもらうものを選び、それらは大ぶりのエコバッグに詰め込んで、クローゼットの奥に押し込んだのだった。ショーツをひとつひとつ手に取り、これまで通りのショーツボックスか、はたまたエコバッグ行きかという、その選定の基準は、なるほど「ときめくかときめかないか」だったので、こんまりの言うことはたしかにそうなのだな、とショーツの選別において初めて実感をした。おかげで部屋はだいぶすっきりしたし、明日からセレクトするショーツはときめくものばかりになったので、万々歳だ。
 土曜日の晩ごはんは鍋にした。鍋用の骨付きのぶつ切り鶏肉というものが売っていたので、おいしそうだと思って買った。もちろん美味しかった。実はちゃんと鍋をしたのはこれが今年初めてだったのではないか。夜には雑炊を仕立て、ファルマンとともに深酒をした。なかなかに高いクオリティの幸福感があった。