今年度が終わる

 季節の変わり目のためか、この1週間は疲労感が強かった。土曜日というゴールに、ふらふらになりながらたどり着いたようなイメージ。そのため土曜日は、僕以外の3人は終日実家だったこともあり、思う存分にのびのびと過した。
 午前中はいつものスーパー巡り。3月分の食費は底をついてしまっているので、4月分からの拠出となる。本当はそうならないようにしたいのだが、でも仕方ない。買い物をせずに冷蔵庫の備蓄で週末を乗り切ることは可能だが、土曜日の安売りにケチケチして買い控えをしたら、結果的に損だと自分を説得し、存分に買う。たぶん僕の場合、これがストレス解消にもなっているので、いろんな意味でお得になっていると思う。
 帰宅後は裁縫と筋トレといういつものパターン。かなりストイックにそのふたつを行なった。筋トレはなるべく薄着、できれば上半身などは裸でしたいという思いがあり、筋トレで体が温まっている間は、冬でもわりとそれが可能なのだけど、縫ったり、腕立てしたり、縫ったり、腕立てしたり、というふうにやろうとすると、裁縫のときはさすがに寒いので服を着る必要があり、その脱ぎ着が面倒でしょうがないのだが、いよいよ春も本格的になり、日中の気温も15度を超えるようになってきたため、上半身裸のまま裁縫ができるようになって、嬉しい。腕立てをした直後の、パンプアップした大胸筋で、スイムウェアを作る。この時間が、やけに愛しく、愉しい。
 昼ごはんは、ひとりなのでざるそばで済ます。午前中、プロテインと鈴カステラをダラダラと摂取していたので、ちょうどいいだろうと思った。
 午後は少しドラクエを進め、夕方になってファルマンが、仕事が来たと言ってひとりで帰ってきて仕事を始めたので、その少しあと、僕が子どもたちを迎えに行った。ちなみに3人がなぜ実家に行っていたのかと言えば、義両親は春休みの帰省でやってくる次女とその娘たちを、蒜山あたりで向こうの車と落ち合う感じで迎えに行っていたため、その間の犬の面倒を見る必要があったからで、その報酬としてなのかなんなのか、夕食としてテイクアウトの鮨をもらい受ける。やったぜ。昼がざるそば、夜がもらった鮨で、なんだかとても楽で健やかな1日だった。休日かくあるべし、という感じで癒された。
 明けて今日は、タイヤ交換のために昨日に引き続いて朝から実家へ。タイヤ交換は、この日取りを聞いたときは、ちょっと遅いような気がしたが、何日か前に雪がちらついたりもしたので、結果的にはよかったんじゃないかと思う。それにしても今年の冬はやはり性根が悪く、桜の開花予想も大きく外れ、グダグダだった。雲南をはじめとしていろんな場所で、この週末が桜まつりということになっていたが、今週はたぶん1、2分咲きだろう。かと言って来週ということなると、もう盛りは過ぎているのではないかという感じもある。ちなみに来週は予定があることもあり、去年のような実家の面々との花見は実現しなさそうである。
 タイヤ交換のあと、せっかくだからやろうと予定していた洗車も行なう。数日前から黄砂のことが言われているので、タイミングとしてどうなのかという思いはあったが、黄砂に限らず、「いま洗車のし時でない理由」を言い出したらキリがないので、思い切ってやることにした。2台とも。やったらやったで、まあすっきりした気持ちになった。
 そのあとは昼ごはんとして牛丼をテイクアウトしてきて、一同で食べる。久しぶりでおいしかった。もうすぐ2歳になる、次女の次女は、引き続き人見知り期により、接触がままならない。ファルマンには抱かれるというのに。切ない。ただ2歳の姪と触れ合えないことが切ないのではなく、男という生きものの孤独さを改めて感じ、切ない。
 車のことが終わり、昼ごはんを食べたら、もう僕は実家に用はない。2台で来ていることもあり、僕だけ自宅に戻ることにした。今日はファルマンの誕生日祝いをする予定となっていて、ケーキを作ったりしなければならないのである。また晩ごはんのメニューはなにがいいかと事前に本人に訊ねたところ、お好み焼きというちょっと意外な答えが返ってきて、そうする計画を立てていたので、昨晩と昼をおごってもらった礼として、実家にお好み焼きを焼いて届けてやろうと考えたのだった。というわけで、帰宅後はひとりでお好み焼きを焼き、ケーキを仕立てた。男という生きものは、孤独なのである。あるいは僕がとりわけそうなのかもしれない。
 お好み焼きを届けたら喜ばれた。それはそうだろうと思う。義母はかなり料理をするのが嫌いな人なので(本人に言ったら否定されるだろうが)、餃子やお好み焼きをたまにこうして持っていくと、とても喜ばれる。「ごはんと山芋しかなかったから助かったわー」と言っていたので少し驚いた。「タッチ」で、南が上杉家にイチゴをお裾分けしに行ったら、双子の母が「晩ごはんのおかずに困ってたから嬉しい」と言って南をおののかせるシーンがあったが、それを思い出した。
 夕方になってようやく家族が戻ってきたので、わが家もお好み焼きで夕食とする。キャベツが、春キャベツと銘打っていたわけではないが、ちょっとふんわり気味のもので、そのためか仕上がりも軽やかで、とてもおいしかった。実家の面々も喜んだことだろう。
 そのあと冷蔵庫からケーキを取り出して、ファルマンの41歳の誕生日祝いを行なう。今年は誕生日が水曜日なので、年度を挟むこともあって気持ち的にとても早い感じがあるけれど、こういう形になった。お祝いは今日行なったが、ファルマンが41歳になったということへの感慨は、正式に誕生日を迎えてから書こうと思う。まあ40から41って、本当に特になんの感慨もないけれども。
 そんな感じで、日曜日はわりとバタバタしたけれど、土曜日は本当に伸びやかに過せて、結果としてとてもいい週末だった。そして今年度が終わる。しかし新卒の新入社員がいるわけでもないので、明日から劇的な変化があるわけでもない。子どもの春休みももうしばし続く。タイヤがノーマルに戻り、燃費がよくなるのが嬉しい。平和に暮そう。