春先の週末

 土曜日は義父が奥出雲のダムの放流イベントに子どもたちを誘ってくれたので、3人はそちらへ出掛け、僕はひとりで過した。午前中にプールに行って泳ぎ、昼ごはんをちゃちゃっと(ひとりって身軽!)済ませたあとは、買い物に出た。
 2月の終わりだった今週前半、月ごとで設定している食費をどうしても切り詰めたくて買い物を控え、3月に入った週後半は、労働が忙しくてなかなかきちんと買い物ができず、冷蔵庫の中がだいぶ頼りない感じになっていた。その状態を解消すべく、これもひとりの身軽さから、複数のスーパーをはしごし、いろいろと買い込む。食料品の買い物、すごく癒される。物価の高まりという懸案要素はあるものの、それでも食材を買い込むのは愉しい。週後半、労働で疲弊し、さらにはそのせいで十全の買い物ができなかった期間はストレスが溜まり、amazonでタイムセールをやっていたこともあり、かねてより欲しいと思っていた大きな蒸し器なんか注文してしまった。台所関係のことばかりがやけに僕の精神に作用をもたらす。
 冷蔵庫を充実させ、精神的にも満足したあとは、まだ妻子も帰ってくる様子がなかったので、夕飯の下ごしらえをしつつ、筋トレをして過した。ちなみにインスタグラムの更新が滞っていることからも察せられると思うが、1年近くに渡って没頭していたショーツ作りは、最近になってようやく熱が治まった。熱というか、高熱が。最近は平熱になって、2月はたぶん3、4枚ほどしか新しくショーツを作らなかったと思う。もっとも大抵の人は月に3、4枚のオリジナルショーツを作らないに違いない。
 夕方になって家族が帰ってきたので、そのまますぐに夕飯に。メニューはちらし寿司。もちろん前日のひな祭りを意識してのことである。海老やサーモンなども乗せた豪華版で、とてもおいしかった。
 明けて日曜日は、一日を家族で過す。子どもたちも昨日のお出掛けで疲れたのか、全員が9時過ぎまで寝ていた。起きてぐだぐだとごはんを食べ、洗濯を干し、出掛ける。大した外出ではない。給油と、図書館と、あとスーパー。給油はガソリンと同時に、灯油も入れた。灯油缶は家にふたつあって、いま1缶は空になり、もう一方も残りが半分くらいという状態であり、かなり悩んだ。もしかしてもうこの半分ほどの残りで乗り切れるんじゃないのか、ここで1缶分の補充をしたら持て余すことになるんじゃないのか、と。しかしファルマンと協議した結果、まあ朝晩は寒いし買っておくか、という結論に至った。買ってしまえばやはり心強い。もしこのままどんどん暖かくなり、持て余したとしても、この時点での安心を買ったのだと思えば損はないと思った。
 午後はゲームをした。今週、僕とファルマンで「桃太郎電鉄」を始めていて(実は去年に買っていた)、それがもう15年目に突入しているのだった。僕とファルマンとコンピュータの3人プレイなのだが、夜にやっているとポルガも観客として参加するし、今日は日中だったのでピイガも画面を眺めていた。家族4人で4人プレイをやろうとすると、都合が合わなかったり、進行のテンポが悪かったり、ピイガがキレたりするので、こういうスタイルがいいのかもしれない。ちなみに現在は僕がだいぶ勝っている。短い年数だと運の要素が強いが、長くやればファルマンに負ける気はしない。
 夕方になり、お好み焼きを焼き始める。本日の晩ごはんは久しぶりのお好み焼き。お好み焼きをするにあたり、粉を余らせて、袋を輪ゴムで留め、ずっと冷蔵庫の奥に眠らせて、でも数ヶ月後の次のお好み焼きの機会にそれを使うのは怖くて、結局捨ててしまう、ということをよくするので、今回はもう、約10枚分焼けるという粉を、全て溶いた。そして昨日のお礼もかねて、焼いたものを実家に持っていってやることにした。実家分を焼いたあと、自分たちで食べる分を焼かなければならなかったので、僕はそちらに専念し、ファルマンに持っていってもらったのだが、たいへん喜ばれたそうだ(もちろん断りなくいきなり持っていったわけではない)。それはそう言うしかないだろうという話だが、しかし日曜日の夜に、お好み焼きが届いたら、たしかに嬉しいだろうと思う。ましてや僕の焼いた、おいしいおいしいモダン焼きだ。僕ならすごく嬉しい。僕が焼いたやつなら、だけど。
 だいたいそんな感じで、ひとりの時間もありつつ、家族でもたっぷり過せた、いい具合の週末だった。ちょっとのんびりしすぎで、筋トレや創作が足りないんじゃないか、という気がしないでもないが、リラックスに全振りした。その必要があったからそうしたのだろうと思う。ならそれでいいと思う。